スーツ・オブ・ザ・イヤー2021 響き合ったスーツ魂受賞者インタビューまとめ

「SUITS OF THE YEAR 2021」を受賞した(左から)ロッテホールディングス社長の玉塚元一さん、ユーグレナ社長の出雲充さん、DOYA社長の銅冶勇人さん、バスケットボール選手の高田真希さん 撮影:筒井義昭

「チャレンジを纏(まと)う=スーツ」をコンセプトに、挑戦する人をたたえる「SUITS OF THE YEAR」。2021年は「コロナ下でも果敢に挑戦を続け、新しい地平を開いた」7人を表彰しました。それぞれの世界で先頭を走る受賞者が語る、スーツへの思いや装い哲学、仕事や人生に向き合う「挑戦」の心構えとは? NIKKEI STYLE Men's Fashionに掲載したインタビュー記事をまとめました。授賞式の「副音声」を画像共有アプリのインスタグラムでライブ配信した人気漫才コンビ、和牛の記事と併せてお届けします。




「70歳くらいで起業しようって話しているんです」

ビジネス部門 ロッテHD社長の玉塚元一さん

2021年6月にロッテホールディングス社長に就任した玉塚元一さんは、請われて多くの会社を再生してきた実績から「プロ経営者」と呼ばれます。ファーストリテイリング社長、ローソン社長、デジタルハーツHD社長など華々しい経歴の裏には、自分が成長するために「挑戦するリスクより、挑戦しないリスクの方が怖い」という気持ちがあったそうです。

新たな舞台を求めて挑戦し続け、エネルギーを得ている玉塚さん。企業再生を手がける会社、リヴァンプをともに立ち上げた沢田貴司さん(現ファミリーマート副会長)とは、「70歳くらいで起業」という夢を描いているそうです。

今回の受賞に伴って玉塚さんがオーダーしたのは、ネイビーに幅広のストライプが入ったスーツ。「普段のスーツは無地」という玉塚さんにとって、これも挑戦だったのかもしれません。プロがすすめるコーディネートについても「とても新鮮」と感心していました。

【インタビューはこちら】ロッテHD玉塚元一氏「僕は回遊魚、だから一生挑戦」

1964年に発売したロングセラー「ガーナミルクチョコレート」などを前に。「僕の40代~50代前半は『挑戦と成長』がモチベーションでした」と話すロッテホールディングス社長の玉塚元一さん(東京・新宿のロッテ本社ビル) 撮影:筒井義昭
多様な業種の企業経営に携わってきた。「企業に飛び込んだらまずキーパーソンを見つけること。ロッテでも3カ月で150人くらいにインタビューしました」 撮影:筒井義昭

「スーツでリスペクトを表現する」

ビジネス部門 ユーグレナ社長の出雲充さん

栄養に富む微細藻類のミドリムシで食料危機・資源危機から「世界を救う」という志を大学生時代に立て、突き進んできた出雲充さんは「どんなに暑くても寒くても、お客様のところにはスーツにネクタイを締めてお邪魔します」と話します。「この時間を大切に思っています、という真剣さが相手に伝わる」からです。

20歳代でユーグレナを立ち上げてからの「500社に営業に行っては断られる」という苦境を乗り越え、21年6月にはミドリムシ由来のジェット燃料で飛行機を飛ばすという夢のひとつを実現しました。「今は世界中、行動する人が世の中をリードしています」と、日本社会にもチャレンジを促します。

今回、出雲さんが仕立てたのは、つややかで重厚感もある生地がきれいな黒のフォーマルスーツ。採寸や縫製などにプロの技と心意気を感じ「あまりにフィットしているので、着ている感じがしない」と驚いていました。

インタビューはこちら】365日スーツでミドリムシと対話 ユーグレナ出雲充社長

「休みなくスーツを着て仕事。それが一番楽しい」と話すユーグレナ社長の出雲充さん(東京都港区のユーグレナ本社で) スーツの生地はスキャバルの「CLASSICSバンチ」。リングヂャケットならではの立体的な縫製で軽い着用感。低いゴージラインと幅広のラペルも魅力(リングヂャケット、オーダー価格27万7200円) 時計はグリーンの文字盤。ピンクゴールドのGMT針は山桜が咲き始めた斜面の風景を表現した(グランドセイコー エレガンス コレクション SBGJ251、81万4000円) 撮影:筒井義昭
トレードマークのライムグリーンのネクタイは4本ずつネットで購入し、「汚れたときに取り替えられるように、予備を持ち歩いています」。ミドリムシ一筋に頑張ってきた、出雲さんの努力の証ともいえる 撮影:筒井義昭

「商談は必ずスーツ。やっぱり僕の勝負服」

イノベーション部門 DOYA社長の銅冶勇人さん

大胆な配色や柄のバッグで人気のブランド「CLOUDY(クラウディ)」を展開するDOYA(東京・渋谷)。社長の銅冶勇人さんはゴールドマン・サックス証券(GS)から転じて、アフリカの伝統的な生地で製品を作り、現地に雇用を生むアパレル事業を立ち上げました。

GS時代にたたき込まれたのは、「営業としてお客様の前に立つ人間は、身なりで判断される。信頼される存在になれ」ということ。それをかなえる材料のひとつがスーツで、銅冶さんにとっては「『この時間、信念を持って臨んでいます』ということを一番表現できる」勝負服なのだそうです。

今回、仕立てたのは、濃紺の無地のスーツ。生地は濃淡の異なる6種類の紺色の綿を調合した糸で織られており、深い色味が特徴です。アメリカンフットボールで鍛えた銅冶さんの体を包む立体的なフォルムが印象的です。

インタビューはこちら】DOYA銅冶社長「アフリカのすてき、アパレルで伝える」

明るいアフリカの伝統柄を使った「CLOUDY」の雑貨に負けない銅冶勇人さんのはじける笑顔(東京都渋谷区の「CLOUDY 渋谷Miyashita Park店」で)。スーツはシルエットにこだわった「QUINTESSENTIAL」コレクション。豪州産のスーパー120’S原毛を使用した奥行きのあるネイビーの生地(ポール・スチュアート、オーダー価格14万8500円) 時計は4時位置にリューズを配し、モダンで高級感あるたたずまいのスポーツモデル。文字盤はスーツにリンクするミッドナイトブルーだ(グランドセイコー スポーツ コレクション SBGJ237、79万2000円) 撮影:筒井義昭
人気のバッグがずらりと並ぶ。デザインも自分でやった。「女性たちにミシンを踏んでものづくりをしてもらうというビジネスを現地に根付かせる。どう演出してどう売るかはこちらの仕事。チャレンジのしがいがあります」 撮影:筒井義昭

SUITS OF THE YEAR 2022

今回の受賞者は、AGCの平井良典社長、ヤクルトスワローズの村上宗隆選手ら5人。授賞式の模様は、こちらからご覧ください。

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「仕事服はツーピース。スリーピースだと…」