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ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。入り口のメインの平台正面にはロシアやウクライナ、ベラルーシに関する本が並び、ウクライナ侵攻をめぐるニュースが連日報道されている世情を映し出す。だからといって、そうした本がよく売れるほどには来店客は回復していない。ビジネス書の売れゆきも同様だ。そんな中、書店員が注目するのは、数字で考えることを徹底することで仕事ができる人になる道筋を説いた組織コンサルティングのプロの一冊だった。

ベストセラー『リーダーの仮面』の著者

その本は安藤広大『数値化の鬼』(ダイヤモンド社)。副題には〈「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法〉とある。著者の安藤氏はコンサルティング会社の識学を起業、「識学」と呼ぶ独自の組織マネジメント理論を使って経営コンサルティングや人材研修などのサービスを提供している。ビジネス書も多く執筆しており、若手リーダー向けにリーダーシップを説いた2020年刊の『リーダーの仮面』は21年のベストセラーになった。そんな著者が今回は主としてプレーヤー、すなわち若手社員に向けて、成長していくための「数字で考える思考法」をわかりやすく提示している。

本書でいう数字とは会計や財務に強くなることを意味しない。例えば「リンゴをたくさん食べた」ではなく「リンゴを2個食べた」と言うように、人によって捉え方が変わる言葉ではなく「いったん数字にして考える」というシンプルな思考のクセを付けることを目標とする。

「数値化の鬼」というのはいささか大げさに聞こえる言い方だが、「自分に対する数値化の鬼」になることで自ら客観視し、足らざるを知り、そこを起点に自らを成長へと導いていく思考法を身に付けようというのが著者の主張だ。

全体は中核の5章に序章と終章がつく7章仕立て。序章で数字に向き合う姿勢を示したあと、「仕事ができる人」になる5つのステップを順を追って解説する構成だ。

メインの平台に4列積み上げ展示する(八重洲ブックセンター本店)

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