TOPIXの構成銘柄も段階的に変わっていく
深 同時に株価指数にも変更が。日本株全体の値動きを表す東証株価指数(TOPIX)は、今まで東証1部の全銘柄が構成銘柄でしたが、流通時価総額が100億円未満の企業は段階的に外され、2025年の1月末には「新TOPIX」に移行します。

トク TOPIX連動のインデックス型投信を持っている人って多そうだけど、大丈夫かニャ?
深 保有する投信に大きな影響はないでしょうが、流動性が高い銘柄に絞られるので、長期的に値上がりしやすくなる可能性はあります。また、東証2部株価指数やジャスダックインデックスなどの株価指数は廃止。「プライム」「スタンダード」「グロース」、それぞれの新市場別指数が新設されます。
トク 個別株投資をしている人には、何か影響があるかニャ?
深 市場再編を機に、上場企業が本気で企業価値の向上や流動性の改善に取り組めば、投資家にとってもプラスでしょうね。現時点でプライム市場の上場基準に満たない「経過措置」銘柄が、上場を維持するためにどのような計画を立てているのかなども、銘柄選びの1つの視点となるかもしれません。
トク 再編をきっかけに、株主優待を廃止する企業が増えたっていうのはホントかニャ。
深 これはホントです。東証1部への上場を維持するのに、「株主数2000人以上」という基準がありましたが、プライム市場は800人以上へと緩和。従来、株主数を増やすために使われてきた株主優待ですが、その必要が薄れるので、今後も廃止する企業は増えるでしょうね。
トク 市場の名前が変わるだけじゃないってよく分かったニャ!
この人に聞きました
深野康彦さん
ファイナンシャル・プランナー(FP)。独立系FPとして30年以上活躍。金融商品に精通し、経済誌などに連載多数。著書に『55歳からはじめる 長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)など

(取材・文/澤田聡子 イラスト/おおの麻里)
[日経ウーマン 2022年6月号の記事を再構成]