女性議員が少ない理由に、議員活動と家庭の両立の難しさがある。スウェーデンや英国では議員の育児休業中は代理人の活動を認める。日本でも地方議会で委員会へのオンライン出席を認める動きが広がる。男女を問わず議員が仕事と家庭を両立しやすくなる。

女性が立候補しやすい環境作りも急務だ。米国には女性の政治参加を促す民間の活動が多数あり、政党を問わず全ての女性候補者を支援する団体もあれば、黒人や性的少数者(LGBTQ)を対象とする団体もある。候補者の発掘や研修、マーケティングや演説の手伝いなど、当選のためにあらゆるサポートを行う。

日本では個別の政党や候補者の支援は多いが、全国規模で女性の政治参加を支援する組織は少ない。「政治は男性のもの」という固定観念を打ち破り、女性を政治の場に送り出すには、バラバラに運動するのではなく連帯する必要がある。 衆院議員のうち女性の割合は1割弱、参院議員でも2割強である。影響力の分岐点を示す「クリティカル・マス」理論では、女性が政治で影響力を持つには少なくとも3割が必要だ。民主主義の基礎である多様性を確保するためにも女性の政治参加を進めるべきだ。

児玉治美
アジア開発銀行(ADB)副官房長。国際基督教大学修士課程修了。国際協力NGOジョイセフにて東京本部やバハマに勤務した後、2001年から国連人口基金のニューヨーク本部に勤務。08年からADBマニラ本部に勤務。19年から21年までADB駐日代表を務めた後、21年10月から現職。途上国の子どもを支援するプラン・インターナショナル・ジャパン評議員。

[日本経済新聞朝刊2022年5月16日付]