支払いの所作次第で見る目も変わる

目的地を伝える場合、気を配りたい事柄がいくつかある。たとえば、「銀座の三越」の場合、特段の説明を加えなければ、百貨店の正面玄関あたりに車を寄せてくれるはずだ。しかし、本当に百貨店に用事があるのならともかく、その近辺にある別の建物に行くのであれば、「交差点の手前で止めてください」といった補足情報を提供したほうが乗り降りがスムーズになりやすい。最初は大まかに方向を指示して、後から補っても構わない。こうした細やかな指示は気配りの行き届いた人柄を印象づける。

・ポイント3 必要に応じて情報を補足

間違えやすい行き先の場合は説明を加えるほうが親切だし、安心でもある。「日本橋のほうじゃなくて、銀座の三越です」「4丁目の交差点にある」などの補足は誤解を避けるうえで役に立つうえ、同乗者にも丁寧な気配りを印象づける。逆に、間違って日本橋に到着してから、「ふざけんなよ、ギンザってちゃんと言ったたろうが、あーん」などと悪態を並べると、本性を見透かされてしまいそうだ。

もし、希望のルートがあれば、早めに指示しておきたい。運転手さんは最適なルートを選ぶはずだが、自分のほうが詳しい場合は進んでルートを提案したい。後になってから「道が違うんじゃないの」とか、「そっちに行ったら、だめでしょ」と、愚痴を述べるのは、同乗者まで不愉快にさせかねない。ささいなミスをあげつらうような態度は「小人物」感を与えがちだ。

・ポイント4 スムーズな降り方

車を止めてもらうときは「信号が赤になったから、ここで結構ですよ」と、手前で降りてもいいだろう。混み合うエリアに乗り込ませて、下ろした後の運転手さんを困らせる必要はないからだ。渋滞ゾーンを離脱しやすい配慮は、目的地の玄関先ぎりぎりまでシートにふんぞり返っている様子よりはずっと好イメージを呼ぶ。

支払いでは1万円札を避けて、少額の紙幣、コインで支払うと、運転手さんに喜ばれる。おつりが切れると、運転手さんはとても困るからだ。各種カードやスマートフォンで支払う形でも構わないが、手間取らないように心がけたい。

たまに料金でごねる人がいる。「いつもは1500円以内で着くのに、きょうは超えた」と、見込み金額より高いと不安を漏らすようなケースだ。実際には道の混み具合で料金は上下する。こういう常識を理解しない態度は、幼い人柄を感じさせてしまうだろう。けちくさいとか、文句を言いたがりといったイメージも呼び込んでしまいがちだ。

降りる際には「ありがとう」の言葉を言い添えたい。「お世話になりました」でも構わない。最後まで丁寧なコミュニケーションを欠かさない態度は同乗者の好感も呼ぶ。逆に、自分が黙って降りて、同乗者が「ありがとうございました」と述べ、運転手さんが「いえいえ」と返すと、無言だったこちらの不調法が際立つ格好に。先に言われてしまう前に、自分から御礼を述べたほうが気まずくならずに済みそうだ。

次のページ
車内での言葉遣いにご注意
ビジネス書などの書評を紹介
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら