変化のあるレイアウトで京都の町屋に招かれたような気がする。「THE HIRAMATSU 京都」のスイートの客室

築120年超の京町家風の空間でくつろぐ

京都の中心、洛中のビルが立ち並ぶ烏丸通から西へ。西陣織や呉服の商家が集まる室町通に面した場所にたたずむスモールラグジュアリーホテル「THE HIRAMATSU 京都」。元呉服屋の築120年超の京町家の意匠を生かした中に、アンティークや北欧家具、そして陶芸家・辻村史朗氏の作品の数々が作る美しい空間に魅了される。

54平方メートル以上とゆったりとした広さの全29室の客室は、高級数寄屋建築を手がける京都の中村外二工務店が監修。ドアを開いて一気に室内を見渡すのではなく、変化のある空間構成や経年の美しさが出る鉛の壁や唐紙の壁、モダンに生かされた格子のモチーフなど、まさに町家でくつろぐ滞在が楽しめる。

レストランは天井の梁(はり)が印象的な空間で、「ひらまつ」の伝統をくむ「リストランテ ラ・ルーチェ」と欅(けやき)の1枚板が美しいカウンターでいただく和食「割烹(かっぽう) いずみ」の2つ。今回の夕食は、ひらまつならではの京都で楽しむ極上のイタリア料理、朝食は懐石風の和食だった。

ディナーのコースのスタートは、美しい器に盛られたアンティパスト。京都らしい素材をイタリアンで

夕食のラ・ルーチェのコースは、まず辻村史朗作の皿に、季節ごとに盛り付けが変わるアンティパストから。旬の野菜を京都の伝統食である漬物”しば漬け”のバーニャカウダで、というひねり。筒井崇海料理長はミシュラン2つ星に輝いたこともある名店「リストランテASO」(東京・代官山)のほか、フランス料理店で腕を振るってきた経験の持ち主だ。京都の豊富な食材と食の伝統を西洋の技で昇華した料理が次々に出てくる。コースに合わせて、最適なワインのペアリングも楽しめる。この日の最後は、炭火焼きの香ばしい秋ハモとマツタケのリゾットをお茶漬け風にいただく趣向。濃い料理の最後を、さっぱりと和も感じるテイストで締めた。

翌朝は、松の庭を眺めながら小泉壮登料理長によるぜいたくな和食。三角の漆塗りに粟まんじゅうや大根の白味噌仕立て腕のもの、ゴマ豆腐、焼サンマ、自家製ちりめんじゃこなどが並ぶ。土鍋で炊き上げたご飯がまた最高。極上の洋と和を味わえる滞在が楽しめる。

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