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日経エンタテインメント!

音楽やスポーツなどリアルな場での興行は、新型コロナウイルス禍で苦戦を強いられてきた。そんななか、好調な集客を維持するのが、プロバスケットボールリーグ「ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ」(以下、Bリーグ)の「川崎ブレイブサンダース」だ。2018年にDeNAが東芝から運営権を承継した同クラブは、承継前の1試合平均来場者数がBリーグ7位だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらも承継3年目に1位に上りつめた。

川崎ブレイブサンダースが着実にファンをつかんだ背景には、SNS(交流サイト)やデジタルマーケティングの強化がある。同チームのYouTubeチャンネル登録者数は、BリーグとサッカーのJリーグを合わせて1位、TikTokのフォロワー数は、日本のプロスポーツクラブで読売ジャイアンツに次ぐ2位。どちらも10万人を超えている。

陣頭指揮を執ったのは、川崎ブレイブサンダースで事業戦略マーケティング部 部長を務める藤掛直人氏。もともとDeNAにてスマートフォン向けゲームの開発・運営に携わっていたという藤掛氏が、なぜ畑違いとも感じるリアルな興行の世界に飛び込んだのか、そしていかにして来場者数増を実現したのかを聞いた。

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川崎ブレイブサンダース 事業戦略マーケティング部 部長 藤掛直人氏(写真 中村嘉昭)

川崎ブレイブサンダース 事業戦略マーケティング部 部長 藤掛直人氏(写真 中村嘉昭)

「責任のある仕事をしたい」とDeNAへ。だが、入社1年目で挫折

Bリーグのクラブの売り上げ規模はプロ野球の約10分の1、Jリーグの5分の1といわれているなか、川崎ブレイブサンダースのYouTubeチャンネル登録者数とTikTokフォロワー数はそれらに引けを取らないどころか、上回る数字を誇る。特に、2年前は4000人程度だったYouTubeのチャンネル登録者数が25倍以上の10万人を突破し、注目を集めている。

SNS戦略の構築やデータを活用したマーケティング全般を担当し、成長へと導いてきた藤掛氏は、DeNAにてゲームビジネスに従事したのち、バスケ事業の立ち上げに携わるようになった。だが、現在に至るまでの道のりは決して順調ではなかったという。

「実は、入社1年目に大きな挫折を味わったんです。DeNAへの入社を決断した大きな理由の1つに、入社年次が浅くても自分の裁量でプロジェクトを進められる社風がありました。その希望通り、私は新しいスマホゲームを開発する部署に配属されたのですが、初めて担当したプロジェクトをうまく進めることができず、リリース前に頓挫して数千万円の損害を出してしまったんです」

配属された部署は全体を見る部長の下、各社員が責任者として開発会社とタッグを組んで新規ゲームを開発するという座組み。藤掛氏は、右も左も分からない状態だったが1人で開発に挑むこととなった。

「自分から求めて入った環境でしたが、仕事としてゲーム開発に携わったことがないので大変でしたね。どこにターゲットを定めるのか、このプロダクトのコアバリューは何かなど、すべての決断を1年目の自分がしなければいけないという状況でしたので」

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