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全国のローソンへの展開を視野に

他店との差別化になるため、ナチュラルローソンFC(フランチャイズ)店で新たに導入への意欲を見せる店舗もあるそうだが、首都圏中心で小規模な店が多く、什器の設置スペースの確保がネックになっているという。一方、ローソンはといえば、郊外の店舗ほどスペースにゆとりはあるが、環境問題への意識の広がりは都市部よりも緩やかだ。設置場所のマッチングが今後の課題のようだ。

そうしたテストも兼ねて、21年12月、ローソンでは初めてとなる量り売りを「ローソン千駄木不忍通店」でスタートさせた。調剤薬局や介護相談窓口なども併設する旗艦店での導入は、これまでと違った世代での利用傾向も推し量れそうだ。

「ナチュラルローソンは、あくまでも第一歩。全国のローソンでご活用いただけるようになることが重要です」

例えば、セルフレジがちまたに広がり始めた当初、多くの人が戸惑った。だが、今では年齢問わず使いこなせている。誰もが気軽に立ち寄り、社会インフラのような役割も担うコンビニで量り売りを推し進めれば環境へのインパクトは非常に大きなものになるだろう。

「今後、お客様とのタッチポイントが多い、おにぎりやファストフード、ソフトドリンクなどの食品類で量り売りが増えれば、結果的に大いにプラごみ削減に貢献できるはず。とはいえ、おにぎりの量り売りは現実的ではありません。好きな商品が手軽に買え、しかも少しお得になる。そうした自由度の高い買い方ができるようになることで、結果的に環境負荷軽減になるという流れをつくれれば自然と量り売りも浸透していくのではないか。それぞれに合うSDGs(持続可能な開発目標)があるはず。何が量り売りに適しているかを見極めたい」

かつては、精肉や乾物、せんべいや菓子など、街中のさまざまな小売店で量り売りは当たり前のように行われていた。また、全商品が量り売りで買える日本初のゼロウエイスト・スーパー「斗々屋京都本店」が話題になるなど、若い世代に量り売り=サステナブルなサービスとして受け止められている。そうした古くて新しい量り売りで、今までになかったコンビニの価値を創造できるか。今後のさらなる広がりに期待したい。

ローソン・商品本部ナチュラルローソン部部長の鷲頭裕子氏

(ライター 橘川有子、写真 吾妻拓、写真提供 ローソン)

[日経クロストレンド 2022年4月25日の記事を再構成]

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