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ローソンが量り売り店舗拡大 適量のナッツが手軽に

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大手コンビニエンスストアチェーンのローソンが、洗剤や食品などの量り売りの取扱店舗を拡大している。2020年8月に都内直営のナチュラルローソンでスタートさせたところSNS(交流サイト)などで好評で、22年3月時点で10店舗にまで増やした。

ローソンが19年に打ち出した環境ビジョン「Lawson Blue Challenge 2050!」に呼応するもの。CO2排出量の削減、食品ロスの削減、容器包装のプラスチックやレジ袋削減などに数値目標をもって取り組む。例えば、環境配慮型モデル店舗「ローソン慶應義塾大学SFC店」では、省エネでフロンを排出しないノンフロン冷凍・冷蔵システムを導入。「MACHI cafe」アイスメニューのカップを紙素材に変更したり、オリジナルドリンクヨーグルト容器を紙製に変えたりするなど、さまざまな取り組みに着手している。

量り売りのアイテムとして、最初に選んだのはニュージーランド発ナチュラルトータルケアブランド「エコストア」の洗剤類。もともとナチュラルローソンで取り扱っており、一定の支持を得ている商品だ。什器(じゅうき)に並べられた洗剤類を、購入者は好きな容器を持参し必要量だけ買えるため、プラスチックごみの削減や使いきれなかった洗剤の廃棄を減らせる。全国に1万4000店以上ある「ローソン」全体から見れば小さな一歩だが、コンビニだからこそ意義があると、ローソン商品本部ナチュラルローソン部部長の鷲頭裕子氏は言う。

「容器などにプラスチックを使うコンビニだからこそ、未来系のサービスとして容器を使わない量り売りに取り組みたいと考えました。洗剤類は特にプラスチックのイメージが強い製品ですし、長鮮度のため管理する店側の負担も小さいのでファーストステップとして導入しやすい。19年11月から具体的に動き出しました」(鷲頭氏、以下同)

とくにこだわったのは、量り売りに欠かせない秤の使いやすさ。簡単で直感的な使用感を目指したという。すでに欧米・アジアで量り売り用の秤を展開していた、寺岡精工(東京・大田)に声をかけた。購入者が量って料金を算出し、セルフレジで購入できる簡素化したフローを追求した結果、開発に1年近くかかった。

「店舗内でお客様が戸惑わずに計量し、精算するまでのすべての行程を、セルフでストレスなく行えることが重要です。秤と連動するタッチパネルは、当初画面の展開が4回までという制限があったことと、シニアやお子様、海外の方など、どなたでも使えるにものにしたかったため操作回数は少ないほうがいい。銀行のATMやシンプルなスマートフォンを参考にしました。『1つの画面の文字数は少なく』『イラストを入れたい』など、メーカーさんには嫌がられそうになるほど(笑)無理なお願いを何度もしました。本社にデモ機を置き、説明がなくても利用できるかの確認もしました」

セルフで完結できるフローへのこだわりは、コンビニが抱える潜在的な人材不足も理由。購入のたびに店員に声をかけるのでは、利用する側もなにかと煩わしい。あくまで通常の買い物の延長で、量り売りというエコな消費ができることが重要なのだ。

そもそも、ナチュラルローソンは環境や健康への意識が高い20代から40代女性がコアな客層で、環境配慮型のエコストア製品との相性は良い。店頭にある無償のボトルを利用すれば気軽に"お試し"買いもできるため、愛用者はもちろん、興味はあるが大きなボトルを買うのをためらっていた潜在的な利用者の掘り起こしにもなっているようだ。

「量り売りによって、自由度の高い、新しい価値を提供できると思いました。サービスを始めて1年半ほど(取材時)たちますが、『よくやってくれた』『もっと扱う商品を増やしてほしい』といった、ポジティブなお声を大変多くいただいています」

実は量り売りを始めた20年夏ごろ、新型コロナウイルス禍でイートインスペースがほぼ活用できずにいた。「ナチュラルローソン神宮外苑西店」では、イートインスペースの一部に什器を設置。デッドスペースの活用にもつながった。その逆にコロナ禍によりナチュラルローソンでは、洗剤カテゴリーの売り上げが量り売り導入直前の20年7月において、前年比2割以上伸びていた。そうした動きも導入への追い風になっただろう。

21年2月には都内5店舗に増え、松山油脂(東京・墨田)「LEAF&BOTANICS(リーフ&ボタニクス)」シリーズのハンドソープやシャンプー類も加わった。利用者からの要望に応えたものだ。ただ、直接肌に触れる化粧品類は医薬品医療機器等法(薬機法)が関わってくる。最初に導入する店舗で、保健所の指導を何度も仰いだほか、万が一に備えてラベルに商品追跡のためのロットナンバーを印字する必要にも迫られた。薬機法に知見のある松山油脂の協力などを得ながら販売にこぎつけたという。

消費する側がわざわざ足を運びたくなる店になるのは大きな魅力だが、従業員の作業が煩雑になっては本来の目的である人材不足解消とは矛盾する。導入店側の負担は増えていないのだろうか。

「量り売りに限らず、新しいサービスの導入はこれまでにも行ってきたことです。秤の周りをふいてきれいな環境を保ち、足りない商品の補充をするといった最低限の管理は必要ですが、それはほかの商品も同じこと。手間が増えたという話は聞こえてきません。ロット番号の印字も点検の延長線上の作業で、どんな従業員でも対応できる簡易なものです」

21年7月からは、5店舗でドライフルーツやナッツ、チョコレートなど、食品の量り売りも始まった。洗剤やコスメ類の購入者は40代から50代の女性が8割を占めていたが、それとは異なる層へ広がりを見せた。売り上げも大きく上向いたという。

「お菓子などの食品は、食べて気に入ったらまたすぐにでもご購入いただけるところが洗剤やコスメ類との大きな違いです。ナッツ類は30代の男性にも好評で、オフィスでの仕事やテレワークの合間に健康的なおやつとして選んでいただけているようです。お子様を連れたお客様は、ドライフルーツなどをケースから袋に取り出したり、タッチパネルの操作をお子様が楽しんだりしながら、イベントのような感覚でご購入いただいています。今までとは違う買われ方をしていると感じますね」

全国のローソンへの展開を視野に

他店との差別化になるため、ナチュラルローソンFC(フランチャイズ)店で新たに導入への意欲を見せる店舗もあるそうだが、首都圏中心で小規模な店が多く、什器の設置スペースの確保がネックになっているという。一方、ローソンはといえば、郊外の店舗ほどスペースにゆとりはあるが、環境問題への意識の広がりは都市部よりも緩やかだ。設置場所のマッチングが今後の課題のようだ。

そうしたテストも兼ねて、21年12月、ローソンでは初めてとなる量り売りを「ローソン千駄木不忍通店」でスタートさせた。調剤薬局や介護相談窓口なども併設する旗艦店での導入は、これまでと違った世代での利用傾向も推し量れそうだ。

「ナチュラルローソンは、あくまでも第一歩。全国のローソンでご活用いただけるようになることが重要です」

例えば、セルフレジがちまたに広がり始めた当初、多くの人が戸惑った。だが、今では年齢問わず使いこなせている。誰もが気軽に立ち寄り、社会インフラのような役割も担うコンビニで量り売りを推し進めれば環境へのインパクトは非常に大きなものになるだろう。

「今後、お客様とのタッチポイントが多い、おにぎりやファストフード、ソフトドリンクなどの食品類で量り売りが増えれば、結果的に大いにプラごみ削減に貢献できるはず。とはいえ、おにぎりの量り売りは現実的ではありません。好きな商品が手軽に買え、しかも少しお得になる。そうした自由度の高い買い方ができるようになることで、結果的に環境負荷軽減になるという流れをつくれれば自然と量り売りも浸透していくのではないか。それぞれに合うSDGs(持続可能な開発目標)があるはず。何が量り売りに適しているかを見極めたい」

かつては、精肉や乾物、せんべいや菓子など、街中のさまざまな小売店で量り売りは当たり前のように行われていた。また、全商品が量り売りで買える日本初のゼロウエイスト・スーパー「斗々屋京都本店」が話題になるなど、若い世代に量り売り=サステナブルなサービスとして受け止められている。そうした古くて新しい量り売りで、今までになかったコンビニの価値を創造できるか。今後のさらなる広がりに期待したい。

(ライター 橘川有子、写真 吾妻拓、写真提供 ローソン)

[日経クロストレンド 2022年4月25日の記事を再構成]

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