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1階入り口近くの平台に関連書籍と並べ、6列に積んで展示する(丸善丸の内本店)

1階入り口近くの平台に関連書籍と並べ、6列に積んで展示する(丸善丸の内本店)

本はリスキリングの手がかりになる。NIKKEIリスキリングでは、ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチし、本探し・本選びの材料を提供していく。今回は東京駅にほど近い複合ビル内に店舗を構える丸善丸の内本店。初めての登場だ。丸の内地区は日本有数のオフィス街な上、出張や観光で訪れる人々も行き交う。3年に及ぶ新型コロナウイルス禍で来店客は落ち込んでいたが、第8波の終息に伴ってビジネス書の売り上げも復調の兆しが見える。そんな中、書店員が注目するのは、世界的にも国内的にもさまざまな動きが続いている半導体産業について、その全体像から取り巻く環境、関連業界の細部までを技術的な側面に立脚して丁寧に解説した一冊だった。

著者はベテラン半導体技術者

その本は菊地正典『半導体産業のすべて』(ダイヤモンド社)。副題には「世界の先端企業から日本のメーカーの展望まで」とある。著者の菊地氏はNECの半導体事業グループで主席技師長まで務め、業界団体の専務理事や研究機関の顧問を歴任するなど、半世紀以上一貫して半導体業界に身を置いてきた開発・製造の第一人者という。エンジニア出身の著者が業界に関心を持つビジネスパーソンや一般の人たちに向けて、業界全体の見取り図を示し、技術的側面から見えてくる細部の構造に至るまで解説したのが本書だ。

「まず半導体を取り巻く近年のグローバルな環境からスタートし、徐々に視点をディテールにズームインしながら『複雑に入り組んだ半導体産業の構造』を解きほぐしつつ、個々の関連業界とその業務内容に迫る」。著者は本書でのアプローチをこのように語る。

このため、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本への工場進出、最先端半導体の国内生産を目指すラピダスの北海道での工場建設といった最近の大きなニュースの背景を知るには、第1章を読むのが手っ取り早い。最近の半導体不足の要因や深刻度、日の丸半導体衰退の歴史、今後さらに広がっていく半導体の用途などに触れた上で、裾野の広い産業の全体像を図を使いながら解説してくれる。

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