それで外出するにはさすがに勇気がいるので、ひたすら家で1人で楽しんできたのだが、還暦が近づくにつれ、人目をはばかるよりも自分を楽しめるハートの強さが身についてきた。これが世に言う「おばちゃんパワー」というものか。今なら使わずじまいになっていたフレームがダックスフントのあの長い胴体のデザインになっているかわいいメガネで外出できる気がする。いや、絶対したい! レンズは遠近両用のサングラスがカッコいいぞ。

メガネに求めるのは第1に軽さ(イラストはイメージ=PIXTA)

最近は老眼と乱視がそれぞれ進んだり戻ったりと複雑な動きをするので、年に数回はレンズの度を確かめにメガネ店に通っている。ベテランの店員さんからはいつも、あまり度が合いすぎるのも目を疲れさせるので、1段階下の度にしておいた方が良いとアドバイスされてきた。今回はその方が不在で、初めて会う若い店員さんが対応してくれた。1年に何度もレンズを作り直すのが面倒なのだと相談すると、では、度を1段階下げて合わせずに、ぴったり作ってみませんかと提案された。

大丈夫なの? それ。失礼とは思いつつ、相手が若いからつい疑ってしまったのだが、これまでも不自由を感じていたわけだから、やってみてもいいかくらいの気持ちで了解した。

およそ1カ月、新しいレンズは快調にピントを合わせてくれている。目の疲れも特にない。な〜んだ、いいんじゃん。おばちゃんは、若者パワーを見直したのだった。

高木美保(たかぎ・みほ)
1962年生まれ、東京都出身。84年、映画「Wの悲劇」でデビュー後、ドラマ「華の嵐」の主役をはじめ、NHK大河ドラマ等に出演。またバラエティー番組にも挑戦し、人気を集める。98年11月、自然と共にある生活を求めて、栃木県那須高原に住まいを移し、農業にも取り組む。現在は芸能活動に加え、講演や執筆業など幅広い活動を展開。著書多数。

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