「3つのシゴト」を統合すべし

(2)組織強化・活性化でリーダーシップを発揮している

副次的であることが多いものの、実は幹部クラスが入社して、激変させて大いに感謝されることが多いのが、この組織強化や活性化です。同じチームがその幹部が率いることになったとたんに、息を吹き返して活力あるチームに変わる。万年最下位チームだったのが、全国トップクラスの業績を上げるようになる。リーダーの存在はかくも大きなものだと、様々な組織を見続けて感じます。

この件でロジック的なことを紹介しておくならば、心理学者のハックマン&オルダムが研究・理論化した「職務特性モデル」による5つの特性があります。

(1)技能多様性(Skill variety)+(2)タスク完結性(Task identity)=仕事をなるべく大きく、全体が見えるように任せる
(3)タスク重要性(Task significance)=仕事の意味を常に考え、理解させる
(4)自律性(Autonomy)+(5)フィードバック(Feedback)=任され、結果についてフィードバックをもらえる

これらを満たすことによって「有意味感」や「責任感」などの心理状態を発生させ、メンバーたちのモチベーションを上げる。それが仕事の成果につながっていくというループを、できる幹部の皆さんは使っていることが多いです。

(3)自社に心から共鳴し、コミットしている

幹部たるもの、やはり「我が社」を背負ってほしいと、おそらくすべての経営者は思っています。社長から役員から言われたからやっている。そんなスタンスでは、持てる力を発揮し切ってくれないだろうし、将来の経営幹部、もしかしたら社長後継候補という期待をしたいのに、なかなかそれは難しいなとみえてしまいがちです。

私は講演やセミナーなどで、よく、「3つのシゴト」という話をします。「仕事」と「志事」と「私事」、この3つが統合されているのが幹部・リーダーの皆さんの望ましい姿ではないかと。決してブラックな働き方をせよとか、滅私奉公しろといったことではないのですが、いついかなるときも、自分が担当していること、背負っているテーマについて、「こうしたらどうだろう」「ああすればもっとうまくいくかな」と考え、アンテナを張っているのがリーダーというものかなと思います。

プライベートの時間でも、ふと、関連する情報やイベントに目が行ってしまう。そこで何かのヒントを得る。そんな状態が、無意識的に「やりがいがある」仕事についている状況だと思います。

パーフェクトにそう思える職務、「天職」はなかなかないよ。そう思うかもしれませんが、そのようなのめり込み状態にするかしないかを決めているのは、本人自身でもあるのです。

もちろん、事前には分かりようもなく、入社後に初めて分かることもあります。やってみなければ分からないことも少なくありません。それでも、「来てくれて助かった」となるか、「期待外れだ」となるかは、入社前、転職活動中の自身と応募先企業に対する確認とすり合わせによって、8割方は決定づけられているのです。

井上和幸
 経営者JP社長兼CEO。早大卒、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。「社長になる人の条件」(日本実業出版社)、「ずるいマネジメント」(SBクリエイティブ)など著書多数。

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