読書を生かす力は読むだけでなく「アウトプット」

本書を通じてわかる、東大生の読書の傾向を一口にいうと、本を読んで「へえ、そんなこともあるんだ」と受動的に読んでいるのではなく、他者とその読後感を共有したい、議論をしたいという知的好奇心こそが、学びの力になっているということです。

読後、同じ本を読んだ他者と意見を交換し、共有し、なおかつ議論をすることで、論点を明確にして、それをスポンジのように吸収する。こうした知的営みが学力向上の秘訣になっていると著者は指摘しています。

少ない本から知識を得ている東大生に聞くと、みなこのように話していました。
せっかくたくさん本を読んだって、その知識を活かせなかったら意味がない
僕はこの言葉がすごく刺さりました。というのも、本をいくら読んでも内容が頭に入ってこなくて、知識が活かせない時期が長かったからです。
人間は、自分で体験したこと以外から物事を学ぶのが難しい生き物です。たとえば、恋愛をまったく経験していない人が恋愛テクニックの本を読んだとしましょう。「へえ、そうなんだな」と感じられるかもしれませんが、おそらく次の日には多くのことを忘れていると思います。しかし、恋愛を何度か経験して、成功も失敗も経験したうえで恋愛テクニックの本を読むと、「たしかにこういうことがある」「こういう場面で毎回どうすればいいかわからなかったけど、こうすればいいのか!」と多くのことを学べるはずです。
経験したことだから得られる知識が多くなる。逆に、まったく経験がないことだと得られる知識が少なくなる。だからこそ、経験に紐づいた読書ができれば、得た知識を活かしやすくなるのです。
(Part1 東大式「読解力」と「思考力」を鍛える本の読み方・選び方 103~104ページ)
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考える力を鍛える読書とは