同じように同世代だと感じたのが、森山未來主演のNetflix映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』だという。

「原作者である燃え殻さんと同世代で、20代で1990年代を過ごした人間に、フィットする内容でした。『全裸監督』といい、『ボクたちは~』といい、80年代、90年代に青春を過ごした世代に向けて攻めている作品が話題を集めている気がしますが、内容は普遍的な人間関係を描いているのでどの世代の人が見ても共感するかな、とは思います」

21年、下半期に世界的なブームを巻き起こした韓国ドラマ『イカゲーム』はどうだったのか?

「僕は福本伸行先生、特に漫画『カイジ』の古くからのファンで。なので、『イカゲーム』を見たときには、内容的にはほとんど『カイジ』じゃないかと思って、面白かったけど、特に新しさは感じなかったんです。でも、『ハンガーゲーム』シリーズが世界的に人気だったり、21年は『今際(いまわ)の国のアリス』(Netflix)が配信公開し、映画『CUBE』が日本でリメイクされたり、やっぱり、多くの人がデスゲーム系を求めているんだな、と。『イカゲーム』は、多彩なキャラクターそれぞれクセがあって、演じる役者もハマっているので感情を揺さぶられるし、セットをはじめディテールにお金がかかっている。そういえば、マスク男の正体には驚きました。日本で、もしこの役をやるとしたら、誰だったら、見た人が『おっ!? 』と同じような驚きを感じるのかな。木村拓哉さんですかね(笑)」

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作り手の熱が伝わってきた『地獄が呼んでいる』

21年11月19日から配信がスタートするや、全世界でNetflix視聴ランキング1位を記録した『地獄が呼んでいる』については、配信される前から楽しみにしていたという。

「実は、本作のヨン・サンホ監督の『新 感染 ファイナル・エクスプレス』『新 感染半島 ファイナル・ステージ』は、ロジカルな作り込みが素晴らしいのですが、僕は逆にそれが見事な設計図にしか見えなくて今ひとつハマらなかったんです。でも、『地獄が~』は、全6話のドラマという長尺が、その作り込みと絶妙なバランスで合っていて、作り手の熱も伝わってきて好きでした。脚本的にツッコミどころもありつつ、時代性を反映した細部の描き方、俳優たち、ワンシーンしか出ない脇役にいたるまで迫真の演技が背景のリアリティーを生み出して、荒唐無稽な設定ですがグイグイ引き込まれました。ラストも見事だったし、サンホ監督の演出の妙がより堪能できました」

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続く後編では、知名度はそれほど高くなくても見応えのある作品を、ドキュメンタリーまで広げて、紹介してもらった。

『愛について語るときにイケダの語ること』(20年/58分)
佐々木さんが編集および共同プロデュースを手掛けた作品。余命を知った身長112センチの青年イケダは自らの恋愛と性生活を記録撮影し、亡くなった。その残された記録映像をイケダの親友であり「相棒」などの脚本家、真野勝成さんが託され、異色の多様性をめぐる恋愛ドキュメンタリーとして完成させる。熊本Denkikanで公開中、 兵庫県の洲本オリオンでは2月17日から公開。今後の上映情報、詳細は公式サイトにて。https://ikedakataru.movie

(ライター 前田かおり)