絶対うまい「淡麗醤油」 首都圏の名店はこの2つ

自家製手もみ麺 鈴ノ木(埼玉県所沢市)の看板メニュー「ラーメン(醤油)」

2022年は年明け早々から、新型コロナウイルスのオミクロン株流行に見舞われ、日常生活の平穏が脅かされている。首都圏を始め、国内各地で「まん延防止等重点措置」が適用され、対象地域の飲食店は時短営業などを余儀なくされている。

外食が貴重な機会になっているからこそ、「絶対に外さない」食事を取りたいと思うのが、自然な感情というものだろう。そこで今回は、今一度「王道」へと立ち戻り、ラーメンの中のラーメンと言われる「淡麗醤油(しょうゆ)」の名店を2つご紹介したい。いずれも100人中、少なく見積もっても99人までが「これはうまい!」と感じ、「絶対に足を運ぶ価値ある店」と私が太鼓判を押す2店である。 

年追うごとに進化する1杯!今や埼玉を代表する実力店

◎自家製手もみ麺 鈴ノ木(埼玉・狭山ヶ丘)

トップバッターは埼玉県所沢市にある『自家製手もみ麺 鈴ノ木』。オープンしたのは18年の秋。鈴木一成店主が、西武池袋線の狭山ヶ丘駅から徒歩1分強という場所に開業した。オープン当初から、新店とは思えないほどハイレベルな1杯を繰り出し、ラーメンマニアを中心に根強い支持を得ている。

加えて、この店は時を経るにつれて、提供するラーメンのレベルが右肩上がりに上昇し、今では、埼玉県内でも五指に入るほどの超実力店にまで成長を遂げている点もすごい。あまりに凄まじい人気ぶりに、行列対策の一環として、昨年秋以降「開店後記帳制」を導入したほどだ。開店時に店頭に並んでいた客6人がまず入店し、それ以降に並んだ客が記帳する方式で、記帳を済ませば店頭で並ぶ必要はない。

西武池袋線狭山ヶ丘駅から徒歩1分ほどの場所にある自家製手もみ麺 鈴ノ木

「ラーメン(塩)」や「まぜそば」の完成度の高さにも定評があるが、開店当初から変わらない看板メニューが「ラーメン(醤油)」。『鈴ノ木』を象徴する1杯として、初訪問の方にはぜひオススメしたい。特徴は、カエシ(醤油ダレ)の味わいが濃密で、だしとともに「これでもか!」と言わんばかりのうま味が詰め込まれていること。

おびただしい分量の山水地鶏の丸鶏、大山鶏のガラ等から丁寧に採った滋味豊かなだしは、この1杯の魅力のほんの一端を示すものにすぎない。カエシの風味をガツンと前面へ押し出し、そのうま味のクオリティーも尋常でない。だしのみならず、カエシも一流なのだ。主役である鶏のコクとキレを、だしに含まれる魚介素材とカエシに含まれる魚醤の合わせ技でクッキリと際立たせ、一段階上の高みへと昇華させている点も、特筆に値する。

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開業から8年余で頂点へ!進化続ける1杯