
ハワイで100年以上の歴史を持つリゾートブランド「ハレクラニ」は、”天国にふさわしい館”という名が示す通り、ここ「ハレクラニ沖縄」でも恩納村(おんなそん)の8万7000平方メートルの広大な敷地に、美しくうっとりする時間が過ごせるリゾートを作り上げている。象徴とも言える「オーキッドプール」を正面にビーチを望む「ビーチフロントウイング」と、落ち着いた雰囲気でクラブラウンジも含む「サンセットウイング」の2つの棟の客室と5室のヴィラから成り、全360室。すべてオーシャンビューで、スタンダードタイプの客室でも広さ50平方メートルのゆとりを誇る。
プールもダイニングも多彩
客室のインテリアは「Seven Shades of White(7色の白)」がコンセプト、室内に入った瞬間にその優美な白と窓の向こうの風景の美しさに、これこそハレクラニの魅力と納得してしまう。プールは、オーキッドプールをはじめ、キッズプール、16歳以上のみの大人のためのクワイエットプールなど屋外に4つ、屋内に1つあり、さらにビーチも。ちょっと静かにくつろぎたければ、混んでいるプールから他のプールやビーチに席を移すのもいい。屋内プールにはジェットバスに加え、天然温泉もある。

ダイニングは東京都内にあるミシュラン2つ星レストラン「フロリレージュ」のオーナーシェフ、川手寛康氏をコンサルティングシェフに迎えたイノベーティブ「シルー」をはじめ、日本料理、ステーキ&ワイン、オールデイダイニングと4つのシグニチャーレストランがそろう。日本料理「AOMI 青碧蒼」には、すしカウンターがあって、全国から取り寄せた旬の魚介にアカジンミーバイや美ら海(ちゅらうみ)まぐろといった沖縄自慢のネタも加わる。工夫された酒肴(しゅこう)と握りが次々に目の前に並び、そのレベルの高さに驚かされた。
ハワイと沖縄が融合した様々なメソッドを用いたトリートメントを提供する「スパハレクラニ」では、月桃を用いたメニューや、ハワイ伝統のマッサージメソッド”ロミロミ”などで心身ともに癒やされる。もちろんビーチでカヤックやスノーケル、プールでのSUPヨガ、クルージングなどアクティビティメニューを楽しむのもいい。おすすめは様々なカルチャー体験で、なかでも恩納村観光協会監修の無料で受講できる三線教室は、初心者でも参加でき、沖縄の心に触れた感じがする。
いずれも沖縄らしい自然とスケールの大きさで、他にない旅の体験ができるホテルである。新型コロナウイルスの感染予防に注意しながら、沖縄の大人旅を満喫したい。
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスに。東京と米国・ポートランドのデュアルライフを送りながら、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。日本旅行作家協会会員。