また、machimoriという会社も、半数以上が副業メンバーというユニークな構成で、社員それぞれが専門性を持ちながらもまちづくりに関わるという働き方も本田さんには刺激になったという。

リスキリングは、身につけたことが仕事に生かされてはじめて完結する。成長分野への異動が伴うこともある。逆に、リスキリングをしたにもかかわらず、学びっぱなしで仕事に結びつかなければ、効果的とは言いがたい。日本の企業でリスキリングが進まない大きな原因が、リスキリングをした後に明確なポストが用意されていないことだ。

損保ジャパンでミーティングする本田さん

その点、本田さんの場合は、サステナビリティーを起点にビジネスをつくるという会社の方針が明確なことから、「これから1~2年にかけて実践に取り組み、グループ全体のサステナビリティーを担える仕事に挑戦したいです」と意気込みを語る。

社内では、同じようにプロジェクト型副業に踏み出した人はまだ少ないというが、社外の人となんらかのプロジェクトを始めようとする社員も出始めるなど、「外の世界に目が向きつつあるのを感じます」(本田さん)。

本田さんは、リスキリングに取り組むべきか迷う“後輩”たちに向け「最初は怖いかもしれませんが、一歩踏み出した先には想像以上にいろいろな世界が広がっています。副業という選択肢が社会全体に広がりつつありますので、その波をぜひ、味方につけていただきたいです」とエールを送っている。

(桜井陽)