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技術の進化やコロナ禍といった激しい環境変化が続く中、キャリアに関して「この会社に居続けて大丈夫か?」「ずっと会社員のままでいいのか?」など、「もやもや」を抱える人は少なくないはずだ。現状維持という手もあるが、今いる場所を思い切って飛び出すのはどうだろう。

職種や業種、地域など、心理的・物理的なさまざまな「境界」を越えることは「越境」と呼ばれる。ビジネスにおける越境を成功させたいならば、越えた先で求められる技術やスキルを学ぶリスキリングが重要だ。また、新しく学んだ技術やスキルを生かしたい場合には、越境して職場や環境を変える必要がある。つまり、越境とリスキリングはセットである。

ビジネスパーソンのキャリアについて、「越境」を切り口にまとめた一冊が、本書『CROSS-BORDER (クロスボーダー)だ。副題には〈キャリアも働き方も「跳び越えれば」うまくいく 越境思考〉とある。ビジネスパーソンの越境を、経済活動に関わる7つ、社会活動に関わる3つの計10種類に分け、具体的な方法、越境によって得られるものなどを詳説している。リスキリングに興味を持つ人に、さまざまな学びのチャンスを教えてくれる。

著者の井上功氏は、リクルートマネジメントソリューションズ(東京・品川)のHRD統括部マスター、エグゼクティブ・プランナー。組織の中からのイノベーション創出をテーマとし、リクルートで長年、人と組織の領域のコンサルティングに携わっている。

難易度の異なる10の「越境」

本書があげる10の越境とは、経済活動に関わる「個人内」「企業内」「企業間」「職種間」「業種間」「産官学」「労使間」の7つと、社会活動に関わる「世代間」「地域間」「国家間」の3つだ。難易度はさまざまだが、いずれも物理的・心理的な意味で今いる場所に安住せず、行動を起こさなければ実行できない。

経済活動に関わる越境の中で、比較的難易度が低いのが企業内越境だ。例えば、研修。自分が公募の対象になるものを探して参加し、普段は関わらない他部署の受講者とフィールドワークや議論をする。部署や世代を越えて交流することで、考え方の差を感じ、視野を広げることにつながる。

社内公募や人材ドラフト制度を利用し、いわゆる社内転職をするのも企業内越境の一つだ。具体的手順は、下記のように示されている。

・人材を求めている(求めていそうな)部門や組織を探す
・同期・同世代のネットワークを最大活用し、当該部門の様子を確認する
・自分の経歴・経験や価値観等をふりかえる
・人材を求めている部門の責任者に自分を売り込み、企業内越境を実現する

近年、社内公募を行う企業は増えている。もし現状の職務や働き方にもやもやするところがあるならば、一度、社内越境を真剣に検討してみるとよさそうだ。

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