第二新卒の転職市場のデータを調べてみると、この数年で大きく広がっている。リクルートによると、20代前半の転職決定者数は6年間で4.4倍にまで増えており(2009〜13年の平均と19年を比較)、コロナ禍の20年度は少し下がったものの、7年前と比べると約3.5倍の水準だ。

「リクルートエージェント」の利用者のデータをもとに、リクルート作成。2009~13年の転職決定者数の平均を1とする。青線は20代前半、赤線は全体。全年代の平均と比べて、20代前半の伸び率が高いことがわかる。

「2回目の就活」 他の業界に目を向ける

ビズリーチが運営する若手向け転職サイト「キャリトレ」では、東京海上のように若手向けにオンライン説明会を告知するケースが増えている。この半年間でセミナーの実施回数は3倍以上に増加した。

キャリトレ事業部長の与島広幸さんは企業の変化をこう分析する。「就職人気ランキングの上位企業が第二新卒に手を広げています。人手不足や人口減少などを背景に新卒採用が寡占競争化。就活生の応募がごく一部の人気企業に集中していて、企業側は欲しい人材を新卒採用だけでは充足できず、間口を広げています」

キャリトレのユーザーはコロナ禍でも増え続け、2年前に比べると会員数は2割増の67万人だ。第二新卒の注目度も高まっている。会員が求人などをサイト内検索するときに保存したキーワードのうち「第二新卒」と保存した人の割合は、18年は4%程度だったが、21年は12%に上昇した。

「最近はそもそも1社目を選ぶときに終身雇用の意識はありません。なんとなくいい会社に入ったけど、イメージと違ったので2回目の就活に突入するという印象です。さらにコロナ禍で自社や業界の構造に変化があり、他の業界に目を向けやすくなっているのでしょう。自律的にキャリアを選ぶのは、第二新卒からなのかもしれません」(与島部長)

最近、転職希望者からは、年齢が上がって「第二新卒カード」が使えなくなる前に転職したいという声もあるそうだ。第二新卒での転職は、もはや就活と地続きの選択になっているのかもしれない。

「別の業界、別の職種にいくなら第二新卒の早いうちに決めないと、と自分を追い込んで転職活動していました」

こう話すのは今年の秋、新卒2年目で飲食業界からITエンジニアに転身したAさん。「20代後半以降になると経験を生かす発想になるから、未経験分野だと不利になる、と転職エージェントに言われたんです」という。

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コロナ禍で「うちの会社、大丈夫?」 ITで「手に職」
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