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ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は2~3カ月に1度訪れている準定点観測書店の青山ブックセンター本店だ。周辺に企画や広告、IT系の企業が多いこの地域は人出の戻りが遅く感じられ、ビジネス書の売り上げもなかなか回復してこない様子だ。そんな中、書店員が注目するのは、人気タレントのフワちゃんとユーチューブチャンネルを開設してヒットさせた若手放送作家が自分の半生を語りつつ自分なりの仕事観・仕事術を一冊にまとめた本だった。

現場でもがきながら模索中の放送作家

その本は長﨑周成『それぜんぶ企画になる。』(左右社)。著者は1991年生まれの放送作家で、20代の放送作家を中心とした企画会社を立ち上げた起業家でもある。それよりも「フワちゃんの人」「YouTubeではカメラを撮りながらフワちゃんと喋っていて、『しゅうせい』と呼ばれている人」と言ったほうがわかりやすいというのが本人による自身の説明だ。

「学生芸人」を振り出しにエンターテインメント業界に関わりを持ち、アシスタントディレクターなどの下積みを経てフリーの放送作家として徐々に仕事を増やし、地上波テレビからユーチューブ番組まで多様なメディアを横断して活躍するようになるまでの軌跡を語り、そこから抽出した「ジョブ理論」を20項目にまとめている。

「僕もまだまだ、現場でもがきながら、模索中なのです」と「はじめに」に書きつける。そんな背伸びしない姿勢が多くの悩める若いビジネスパーソンの共感を呼びそうだ。「普通の僕が試行錯誤してきた企画のつくり方や、すごい個性の友だちと仕事を続けていく方法は、多くの社会人の方に活用してもらえると思います」と書く。等身大の奮闘から導き出した仕事への向き合い方や進め方が、そのまま著者のいう「ジョブ理論」になっている。副題は「うしろだてのない放送作家が新しいエンタメで世を沸かす20の方法」だ。

全体は5章構成。前半の2章で学生芸人引退までの半生を振り返り、後半は「売れるためにやったことのぜんぶ」「超刺さる企画のつくり方」「フワちゃんと僕」の3章に分けて仕事の広がりを追いながら、ジョブ理論を展開する。最後にフワちゃんとの特別対談もついている。

ビジネス書コーナーの柱前に特設の棚を設け、関連書と並べて展示する(青山ブックセンター本店)

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