
おびただしい分量の豚骨・鶏ガラ等の動物系素材をじっくりと丁寧に炊き上げ、芳香艶やかな魚介素材(ソウダガツオ、カタクチイワシ等)を重ねたスープは、後を引く甘辛いカエシの後押しも相まって、すすり上げた瞬間、頬が落ちそうになる垂ぜんの味わい。
このスープとコンビを組むのは、名門製麺所『三河屋製麺』(東京)のモッチリ太麺。滋味深い中濃スープを過不足なく持ち上げ、口内へと送り込む、まさに「このスープにしてこの麺あり」と言うべき逸品。
中盤以降、別皿の「カレールー」を麺へと注ぎ込めば、麺皿は一気に「カレーまぜそば」へと早変わり。さらに、カレールーが付着した麺をつけダレへとディップさせれば、カレーのスパイシーな風味と、スープの甘み・うま味とが、口内で混然一体と化し、箸とレンゲを持つ手が止められない味わいが生み出される。
無我夢中で食べ進め、気が付けば完食。この1杯、激戦エリア・東京においても、十分通用するだろう。
★らーめん亭 ひなり竜王【梅屋敷】
~清湯スープとモッチリ麺とのコラボで食べ手を魅了。今期を象徴する必食の1杯!~
次にご紹介するのは22年9月にオープンした『らーめん亭 ひなり竜王』。同店は東京・城南エリア屈指の実力店『中華そば和渦(わか)TOKYO』(北品川)の4つ目のブランド。屋号には「将棋の駒の飛車のように、ラーメンづくりにまっすぐ真摯に取り組み、やがて、多くの人々に愛され親しまれる竜王のような存在になりたい」との想いが込められている。

店舗のロケーションは、京急本線「梅屋敷」駅(京浜急行本線)から東へと延びる「梅屋敷東通り商店街」を徒歩で7、8分直進した同商店街出口付近の左手側。
同店を切り盛りする店長は、我満(がまん)真也氏。『和渦』が創業した当初から、店主(高橋宏幸氏)と共に苦楽を分かち合ってきたまな弟子で、高橋店主のラーメンづくりのノウハウを熟知する。