ブラック企業かどうか、私がきめる? 働き方の軸とはふつうの大学生のための就活ガイド 第10話

2021/9/22
日本大学経済学部・安藤至大教授が、これから就職活動を始める「ふつうの大学生」の相談に乗る、ストーリー形式の連載「ふつうの大学生のための就活ガイド」。第10回のテーマは「ブラック企業」です。(学生も会話もフィクションです)

N大学経済学部3年生の美咲は、安藤先生のところへ就活の相談に来ています。前回は企業研究の進め方や、働き方の実態をどう調べるかについて聞きました。

就職活動を友人と協力するメリットとは

美咲 この前サークルの友達に、就職活動で協力し合わないかって誘われたんです。情報交換のためにSNS(交流サイト)のグループを作るみたいで、それに入るか迷っています。

安藤先生 そうでしたか。松本さんはどこに引っかかっているんですか?

美咲 本音では入りたいと思っています。就活の情報交換をしたり、励まし合ったりと、良いことがたくさんあると思います。あと、最初に疑問として挙げていた中に「ブラック企業の見分け方は?」と書きましたが、そのあたりも情報交換できたらいいなと。

でも、みんなが内定をもらっている頃に自分だけもらえなかったら恥ずかしいし、やっぱりやめておこうかなとも思うんです。

安藤先生 なるほど。とはいえ、協力し合ったほうが、みなさんの就職が納得のいく形で決まる可能性は高くなると思います。

美咲 やはりそうですか!

安藤先生 友達と就職活動で協力することのメリットは、主に3つあります。1つ目は、すでに気づいている通り、互いに情報交換ができます。これは就職活動を続けていく上でモチベーションを維持するためにも有益です。

2つ目は、互いにアドバイスできることです。自分1人だけで自己分析をいくらやっても、その方向性が間違っていたり、アピールの仕方が間違っていたりしたら、良い結果は得られません。けれども、就職活動がうまくいっている友達にエントリーシートの記載内容を見てもらったり、友達と一緒に面接の受け答えを練習したりすることで互いに改善できる点を見つけられるでしょう。

3つ目は、他人から見た自分を認識できるようになるということです。友人とは言っても、自分とは別の人間であり他人です。その他人から、自分がどのようなキャラクターだと認識されているのか、また初対面ではどのように見えるのかなどを伝え合うことは有益です。

美咲 初対面の印象、ですか?

安藤先生 そうです。面接で初めて会うことになる面接担当者は、最初に向かい合った瞬間や会話の入り口部分ですでに学生への評価を始めています。そしてその後のやり取りは、その第一印象を確認するためのものになりやすいのです。よって自分がどのように見えるのかを知っておくことで、対応策を考えることができますね。

また、グループワークや集団面接が行われる際に、自分はどのような役割を果たすのか、またどのような立ち位置でいくのかを検討できるというメリットもあります。

美咲 なるほど。

安藤先生 一方で、情報に振り回されたり、うまくいっている友達をみて嫉妬してしまい精神的に不安定になってしまうなど、負の効果も存在します。その点は、松本さんも気づいているようですので、注意しましょう。

美咲 そうですよね……。誘ってくれた子は、大学に入ってから、ずっと仲良くしてきた友達なので、一緒に就活を頑張りたいと思います。

安藤先生 さて、松本さんは「就職した先がブラック企業だったらどうするのか?」ということを気にしているようですね?

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ブラック企業かどうか、友人との情報交換ではわからない
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