「スーツで仕事」が一番楽しい

念願のプロジェクトを次々と実現させた。14年にバングラデシュで給食の提供を開始。21年6月にはミドリムシ由来のバイオジェット燃料を使用した小型機が、鹿児島-羽田間を飛行した。

「最高の瞬間でした。10年間、ミドリムシで飛行機を飛ばすと言い続けて100億円かかったんです。100億円といえば、うちの売り上げ規模からいえばかなり大きな額です。石油の出ない日本のために、CO2が出ないバイオジェット燃料を作って、飛行機を飛ばせた。ベンチャー企業としては喜びがピークに達する記者会見のはずでしたが、記者の方からまず言われたのは、燃料がまだ高額ですよね、とか、本当に安全なんですか、とか……」

「僕が子供に一番おすすめしたいのが農業。植えたらこんな実がなった。どんな味?……想定外のことが次々起こる。それが大事。今の時代、頭で考える人よりも、とにかくやってみる人の方が強いんです」 撮影:筒井義昭

「皆がベンチャー、ベンチャーといっている割には日本は冷たいなあと。ウチがこうなら、小さいベンチャーはもっと大変でしょう。新しい商品やサービスに対して、実績がない、値段が高い、と言うよりも、これは面白いね、どういう風に良くなっていくの? と応援してほしいんです。挑戦者とチェンジメーカーを寛容に受け入れる社会じゃないと、『チャレンジ=損』だと感じて日本から皆、出ていってしまいますよ。だから、僕は、スーツ・オブ・ザ・イヤーを受賞してほんとうにうれしい。2050年カーボン・ネットゼロの社会を達成するために、バイオ燃料については、たくさん作って安くして、当たり前に使われるように必ずします」

コロナ下で出雲さんの働き方は大きく変わった。チャンスや出会いも増えた。

「1日中オンラインで世界中のだれかが起きていますから、みんな笑いながら、俺はグッドモーニングだ、お前はグッドイブニングだ、ってバラエティー豊かな会議が当たり前になりましたね。それが一番大きな変化。楽しいですよ。例えばミドリムシにクリスマスは無いし、お正月も無い。お世話しないとミドリムシは死んじゃうわけですよね。僕は創業時から休みがないのが当たり前。それでいい。スーツ着て仕事させてもらっているのが一番楽しいんです」

「日本人は真面目で完璧主義だから、最初の一歩が遅い。平成の30年間、完璧な理論を求めて頭の中で考え続けて、取り残されてしまった。今は世界中、行動する人が世の中をリードしています。Just do itです」

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)


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