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「次世代リーダーの転職学」は、今回を持ちまして連載終了の運びとなりました。私は2018年4月から執筆陣に参加しましたが、この4年間、毎回、読者の皆さまから大きな反響をいただき、とてもやりがいある執筆でした。今回は節目としまして、「次世代リーダーの転職」についてこれからを予見させる3つのことを書いてみたいと思います。

「シン・ウルトラマン」と「トップガン マーヴェリック」

ただいま大ヒット中の映画2作品。両作品ともに私自身はオリジナルの世代。「ウルトラマン」は1966年放映開始、私の生まれ年です。「トップガン」は1986年公開、大学生時代に劇場で見て以来、これまでDVDからオンライン配信に至るまで何度見たことでしょう。こうしたこともあり完全にハマりまして、本稿執筆時点で「シン・ウルトラマン」を2回、「トップガン マーヴェリック」を3回、劇場で見ました。

作品のクオリティーの高さはもちろんのこと、両作品のヒーローが好対照な点が非常に面白いのです。以下、映画のネタバレが含まれますのでご注意ください。

ウルトラマンはオリジナルとは設定・キャラクターは全く別(「科特隊」改め「禍特対」、ウルトラマンになるのは「ハヤタ隊員」改め「神永新二」など)ですが、ある面やはり今作も非常に日本的と言いますか、光の星から地球を監視するために派遣されたウルトラマンが「たまたま」日本を愛してくれて、圧倒的な力を発揮し、ザラブやメフィラスといった外星人による侵略から日本・地球を救ってくれる。

ウルトラマンは劇中、一貫してあくまでも地球に来た「外様」として日本人を理解し、来襲する外星人と無償で戦ってくれる。いつしか日本政府も国民も禍特対も、禍威獣(カイジュウ)や外星人に対してウルトラマンが登場して戦ってくれることにすがるようになる…。

映画後半の地球最大の危機に際して、ウルトラマンからのサジェスチョンを受けながら、地球人の科学者たちが、最後の最後は自分たちの英知を結集して局面打開策を自ら見つけ出すのですけれども、しかしそれでも最終局面は神頼みならぬウルトラマン頼みになるところが、なんとも歯がゆいところではありました。

対するトップガンは、前作から36年。ほぼ同じような時間が映画の中でも流れており、世代交代が描かれます。現場現役を望むことから昇進を固辞し続けて最新鋭戦闘機のテストパイロットとして生きる、トム・クルーズ扮(ふん)するマーヴェリック(ピート・"マーヴェリック"・ミッチェル)。

"某国"の核の脅威を未然に防ぐため、トップガンに再招へいされたマーヴェリックは、最難関ミッションをクリアするために若手現役たちを鍛え上げる教官となります。しかし、そこはトム・クルーズ。ミッション遂行は不可能かと思われたところで、若手をしのぐ圧倒的なパイロット力を自らの飛行で見せつけ、現役復帰で最難関ミッションをけん引。これが違和感なく、あまりにカッコよすぎる!

ウルトラマンは、オトナの目線から(宇宙レベルから見ると)コドモである日本人(地球人)を愛し、サポートし、どうしようもない局面では自ら戦ってくれる「お父さん」的ヒーロー。

対するトップガンのマーヴェリックは、背中を見せて共に戦う「兄貴」的ヒーロー。

いま求められているリーダー像は、この2つなんだろうなと感じました。(ウルトラマンにおける日本人の、ヒーローへの依存体質は、そのままでいいのかということはあると感じますが……)

混迷の時代、先の見通しにくいこれからにおいて、リーダーには確たる力量、圧倒的なスペシャリティーや底力が期待されている。その象徴のように僕には見えました。

両者に共通しているのは、ウルトラマンもマーヴェリックも「仲間・チームへの愛」にあふれていること。愛されるリーダー、期待・信頼されるリーダーは、チームへの無償の愛を抱いている。そんなメッセージが通底して伝わってくるところに、あらゆる世代の見る者の心を揺さぶる、大ヒットの理由があるのではないかと思います。

そして、その愛の上で、強さが求められている。理想のリーダー像について、1990年代のカリスマ型リーダーの時代から2010年代には支援型リーダーへと移り変わったと言われて来ました。しかしここから2030年代に向けては、支援型であってもリーダー自身が前線に立って戦う、引っ張る、そんな「キャプテン(主将)型リーダー」が活躍する時代になるでしょう。

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