インドとメキシコの祭りを彩る花 マリーゴールド
秋はマリーゴールドの季節。インドでは毎年この時期、5日間にわたって光の祭典「ディワリ」が祝われ、家々の扉や食卓に燃えるようなオレンジと黄色のマリーゴールドが飾り付けられる。
一方メキシコとその他の中米諸国でも、11月1日の「死者の日」が近づくと、多くの家にマリーゴールドの花束が置かれる。これらは「死者の花」と呼ばれ、その明るい色を見た人々は、人生のはかなさを覚え、死者への思いをはせる。
マリーゴールドを楽しむ人々
米大陸原産のマリーゴールドは、コロンブス到来前からメキシコで重要な儀式的役割を担ってきた。ナワ族では、マリーゴールドの花は死者を祭るために太陽の神から贈られたものと信じられていた。
350年以上前に、スペインとポルトガルの商人たちが初めてマリーゴールドをインドへ持ち込むと、インドでも祝いの花として人気を獲得し、全国へ広がっていった。やがてディワリ祭以外にも、結婚式やそのほかの宗教の祭典で必ずと言っていいほど見られるようになった。
ナショナル ジオグラフィックの写真家たちは長年の間、マリーゴールドを楽しむ人々を写真に収めてきた。この何気ない小さな花が、どのようにしてインドとメキシコという2つの文化を象徴する存在にまでなったのかを、本誌の写真アーカイブとともに振り返る。
聖地でも飾られている
(文 AMY MCKEEVER、訳 ルーバー荒井ハンナ、日経ナショナル ジオグラフィック)
[ナショナル ジオグラフィック 日本版サイト 2022年10月30日付]
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