セカンドキャリアの転職市場
Q)子育て中で時間や場所の制約があり、なかなか転職先が見つけられません。
優先順位をつけて考えてみてください。もしくは、社員として雇用されること、1社だけで働くことを考えず、もっと幅広い可能性を考えてみてください。アルバイトやパート、派遣という形で、曜日ごとに違う職場で働いてもいいと思います。
正社員で長く働いてきた人は、1社で雇われることにこだわりすぎる傾向がありますが、自分のスキルに買い手がつくならば、何社と契約しても問題ないのです。例えば、月末の経理の実務だけを業務委託で請け負う、というやり方もあります。働き方をあまり固定せずに分散する方法もあるということです。
Q)セカンドキャリア(60代以降)の転職市場について教えてください。
60歳で定年という制度の会社が多いですし、定年以降も嘱託で働ける制度も増えてきてはいますが、年収が半分になるなどの条件を設けている会社が多いのが現実です。自社の社員に対してすらそのような状況ですから、外部から満額で転職者を受け入れることはできない企業のほうが、実際には多いと思います。
ただ、そのような状況の中でも60代以降で活躍している転職者の方はいます。複数の企業と顧問契約やコンサルティング契約をしている人もいます。また年齢に関係なく、現時点でどんな能力をもっているか、どんな成果を出してくれそうかを重視して、成果が出せる限りは採用するという企業も増えています。
例えば、「今62歳ですが、戸建て住宅の営業をずっとやってきて年間新築戸建て10棟売れます」という人なら「利益を上げてくれるのだから62歳でも働いてもらいたい」と考える経営者は少なくありません。
活躍している人に共通しているのは、遅くとも50代前半頃から準備を始めていたということです。60代以降のことを59歳になってから考えていては間に合いません。できるだけ早くから「何歳まで働くのか、そのときの働き方はどうするのか」を考えて、準備しておくことが大切です。
(聞き手は代慶達也)