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入り口そばのメインの平台に3列積みで展示する(八重洲ブックセンター本店)

入り口そばのメインの平台に3列積みで展示する(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。緊急事態宣言が解除され、土日の人出はかなり戻ってきているという。ただ、在宅勤務が定着しているのか、平日の人出は減ったままだ。そのせいか、ビジネス書の売れゆきも新刊への反応が鈍い状況が続いている。そんな中、書店員が注目するのは、思考力を鍛えるベストセラーで知られる著者がビジネスの変革期に必要な思考法を提示した一冊だった。

共著者の一人は『地頭力を鍛える』の細谷氏

その本は細谷功・坂田幸樹『構想力が劇的に高まるアーキテクト思考』(ダイヤモンド社)。ゼロベースで白紙の状態から抽象度の高い全体構想を構築するための思考法を「アーキテクト思考」と名づけ、その必要性、思考法そのものの詳細、ビジネスへの適用事例などを紹介した本だ。

著者の一人、細谷氏はベストセラーになった『地頭力を鍛える』で知られるビジネスコンサルタントで、思考法やそのトレーニング法の著作も数多い。共著者の坂田氏は経営共創基盤(IGPI)共同経営者で、現在シンガポールを拠点にコンサルティング業務を展開している。思考法を練り上げた細谷氏と、具体的なビジネス事例をよく知る坂田氏の共著という形で、日本のビジネスパーソンにコロナ後をどう描くかの指針を示そうとの意図で本書は編まれた。

白紙の状態からゼロベースで考える。それはそう簡単なことではない。そこで著者は「なぜ必要なのか」から説き起こし、スキルを分解してどのようなものかを示し、どうすれば実際のアウトプットにつなげられるのかを説いていく。今アーキテクト思考が求められるのは、不確実性が高く変化が激しく速い時代ゆえだ。そういう時代では「具体レベルで部分的な個別最適を連続的に積み重ねるのではなく、抽象度を上げて全体構想を描き直す力が重要になる」。

「抽象度を上げる」というのがアーキテクト思考の重要なカギだ。抽象度を上げることで、業界固有の常識や日常業務の制約といった近視眼的な視点がリセットされ、ゲームチェンジにもつながる新たな視点を手に入れることができる。そのための思考・行動パターンやスタンスが入念に解説されるのが細谷氏による第1部だ。その最後に5つのステップで構成される全体構想プロセスが詳述される。

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