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ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。新型コロナウイルスの新規感染者は再び拡大しているが、来店客が再び減るような傾向はまだ出ていない。それでもビジネス書の売り上げは十分回復したとはいえない。そんな中、書店員が注目するのは、会議の効果を最大化するファシリテーションのやり方をベテランの会議コーチが解説した一冊だった。

著者は「すごい会議」公式コーチ

その本は大野栄一『会議の成果を最大化する「ファシリテーション」実践講座』(日本実業出版社)。著者の大野氏は「すごい会議」公式コーチとして活動する。「すごい会議」とは米コンサルタントが開発した会議メソッドの日本版で、大橋禅太郎氏が一般社団法人すごい会議を組織してコーチを育成、普及に努めている。大野氏はそうした独立系コーチの1人で、ここ10年以上にわたり130社への導入をサポートしたという。

その経験をもとに、会議を円滑に進めるファシリテーションの効果的なやり方を進行順に具体的に解説したのが本書だ。

「ファシリテーターとは、そもそも何をする人か?」を解説するところから本書は始まる。ファシリテーションとは「あらゆる方面での知的創造活動を支援し、進行を促進する関わりのことをいう」と定義し、ファシリテーターは創造活動のゴールに向けて物理的側面と心的側面の両面から活動を支援するとその役割を説く。そこから始まって会議の準備、会議最初の5分と話を進めていく。

「アジェンダの基本構造」「会議の目的と問題を明確にする5枚の質問カード」など、会議を円滑に進めるさまざまな細かい手法が局面に応じて次々に披露される。「会議はコンテンツではなくコンテキストがすべて」といった、押さえておいた方がいいポイントも折々に示される。まずは通読してファシリテーターのいる会議の流れをつかみ、それから細かなテクニックを実際に会議の場面を想像しながら読み込んでいくのがいいだろう。

2階のエスカレーター正面の新刊書の棚に3冊並べて面陳列する(八重洲ブックセンター本店)

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