途中の曖昧な思考内容も明確化

「結論仮説決め」も「現状を把握する」「課題を設定する」「打ち手を考案する」という3つのステップに分けて解説する。論理思考の多くの解説書は模範解答や結論を示すが、途中の曖昧な思考内容にはまず触れない。なんとなく思いついたようにしか思えない「結論に至る背景の思考内容」まで可能な限り明確化するという解説方針が論理思考を身に付けるのに大きな手助けになる。

2色刷りの参考書のような作りで、「1000円カットのチェーンA社の売上を上げるには」「とあるアフリカの航空会社が、自然公園を運営することの是非」といったビジネス系のケース問題を具体的に考えながら解説を進める。読むというより思考訓練の手引書として取り組むのに適しており、戦略系コンサルティングファームをめざす学生はもちろん、新規事業開発など論理思考が必要になるビジネスパーソンにも使い勝手のよい編集だ。

「思考法の本は硬軟いろいろと出ているが、ビジネスで使える王道の思考法の本。入荷して1~2週間といったところだが、初動の反応はいい」と同書店でビジネス書を担当する川原敏治さんは話す。

『数値化の鬼』が息の長い売れ筋に

それでは先週のベスト5を見ていこう。

(1)Pマーク・ISMSを取ろうと思ったら読む本仲手川啓著(幻冬舎)
(2)「自分」の生き方小池康仁著(ダイヤモンド社)
(3)世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた中野信子著(アスコム)
(4)数値化の鬼安藤広大著(ダイヤモンド社)
(5)永守流 経営とお金の原則永守重信著(日経BP)

(八重洲ブックセンター本店、2022年4月3~9日)

1位は情報セキュリティー体制を社内に構築するにあたって、その進め方やコンサルタントの使い方などを解説する本。2位には、東洋哲理を経営に生かす経営指導を展開する著者による生き方本が入った。3位は脳を活用してパフォーマンスを最大限発揮する方法をまとめた、テレビなどによく登場する脳科学者の本。同書店では息の長い売れ筋になっている。4位は3月に同書店を訪れたとき、「いったん数字にして考える 仕事ができる人の思考法」の記事で紹介した思考法の本。そのときの6位から順位を上げており、好調な売り上げが続く。5位には、カリスマ経営者の1人、永守重信氏が財務と資金繰りの本質を自ら語った本が入った。紹介した論理思考の本は9位だった。

(水柿武志)