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ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。まん延防止等重点措置が解除されたこともあって、土日の客足はほぼコロナ前に戻った。それでも在宅勤務が定着したこともあり、平日の来客は以前の7割程度だという。そんな中、書店員が注目するのは、指導経験豊富な著者が、論理思考でなぜミスが起きるのかを丹念に紹介しつつ、論理思考の効果的な独習法を解説した本だった。

戦略コンサル志願者の研究会から生まれた本

その本は東大ケーススタディ研究会編・白木湊著『伝説の「論理思考」講座』(東洋経済新報社)。編者となっている東大ケーススタディ研究会は2008年から戦略系コンサルティングファーム志望者を中心にビジネスケースの研究や就職支援活動などをしているグループで、『現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』(同)など、論理思考のトレーディング本を執筆、ベストセラーになっている。

著者の白木氏はその研究会メンバーの1人。現在はコンサルティングファームでマネジャーを務めるほか、大学生や新社会人を対象に論理思考の個別指導を続けている。個別指導を手探りで進める中で、「なぜ論理思考でミスをするか」「どうすれば、自力でミスを回避できるか」といった学習者のつまずきどころとその解決法をめぐり知見がたまり、効果的な指導方法を見いだすようになったと著者は言う。その知見をまとめたのが本書だ。

全体は「導入編」「例題編」「本編」「応用問題編」に分かれる。導入編で「なぜ論理思考は難しいのか」を考察して論理思考の前提知識を確認した上で、例題編でありがちなミスとはどんなもので、ミスが発生する原因は何か、5つに分けて分析する。そして、どんな工夫をすればミスを回避できるのか、その対応策を本編でたっぷり解説する。

本書が提示する問題解決の全体の流れは、すでに知っている知識などを参考にして結論仮説を設定する「結論仮説決め」から情報収集や分析によって仮説を検討するまでの「考える」ステップと、これを説明資料にまとめたりプレゼンしたりする「伝える」ステップに分かれる。この「考える」ステップのうち、ほぼ頭の中だけで進めることになる「結論仮説決め」こそが高い論理思考力を求められるステップであり、ここに絞って詳細な工夫を解説するところが本書の特徴だ。

入り口そばのメインの平台に4列積み上げて展示する(八重洲ブックセンター本店)

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