ワイドショーツで体形カバー パープルがおすすめ
「ADAM ET ROPE'(アダムエロペ)渋谷PARCO店」の河野聖也氏にも話を聞いた。単調になりがちな夏のスタイリングにはショーツのシルエットで変化をつけるのがおすすめだという。河野氏が紹介してくれたのは同店オリジナルのカーゴショーツだ。

「ショーツは自分の体形に合った丈感とシルエットを選ぶのが大切です。例えば、僕の場合は細身の体形なので、丈の短いショーツをはくと少年っぽく見えてしまいます。細身のものやタックが入らないショーツだと、体の線の細さが強調されてしまいますね。僕自身は、タック入りのややワイドなタイプを選ぶことのほうが多いです」
今回の一本のように、アウトタックと呼ばれる、外側に向けてプリーツが入るショーツははいた時のラインが裾に向かって広がって見えるのが特徴だ。コットンのようなマットな質感のナイロン地なので、普段のスタイリングにもなじみやすい一本だという。


「ベーシックな黒が人気ですが、すでに黒のショーツを持っているという方には、パープルがおすすめです。はいてみると意外とスタイリングしやすいですよ。色のコントラストが付くので、単調になりがちな夏のコーディネートのアクセントとしてぜひ試してほしいですね」

デッドストックに注目 タックインでこなれた印象に
「個人的には、夏場はグルカショーツなどをよくはいています。男らしさやトラッドの要素を取り入れた硬派なデザインであれば、ショーツに苦手意識を持っている方も挑戦しやすいと思いますよ」
そう話すのは、東京都世田谷区の三軒茶屋にある「SEPTIS(セプティズ)」の白木凛太郎氏だ。ニューヨーク発祥のブランド、BRITISH KHAKI(ブリティッシュカーキ)から、珍しいデッドストックのチノショーツを選んでくれた。

「ブリティッシュカーキは、チノパンが代名詞のブランドなのですが、ブランド初期の80年代のデッドストックが出てきました。あまり見つからない型なので、お客様からの反応もいいですね」
30年以上も前に生産されたにもかかわらず、トレンドに左右されずにはける一本だと話す白木氏。どんな点が特徴的なのだろうか。
「まず最近のショーツと違って、丈が短いですね。2タックにしてはすっきりしたシルエットで、裾幅はあまり絞らずにすとんと落ちるラインが特徴。骨太なツイルの生地とも相まって、ミリタリー感とトラッド感が絶妙にミックスされている印象です」


貴重なデッドストックの一本を現代風にはきこなすなら、どんなコーディネートがいいのだろうか。
「ゆったりしたシルエットのマドラスチェックのシャツを合わせるのが今の気分ですね。ブリティッシュカーキの雰囲気ともよく合うと思います。ボタンは留めて、あえて裾をタックインすれば、こなれたトラッドな印象になります。大人でもだらしなく見えず、挑戦しやすいはずです」

文:FACY編集部 平野美紀子(https://facy.jp/)

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