自分流の日課で呼び込む「成長」 愚直に基礎力を磨く

成長に至る道筋は人それぞれに異なる(写真はイメージ) =PIXTA

「自分を成長させてくれるかどうか」を、職場選びの優先条件に位置づける働き手が増えてきた。こうした変化を受けて、転職サイト「日経転職版」は特別セミナー「リクルートに会社を売った男、松本淳氏が伝授!仕事を通じた自己成長を実現する実践法」を開催した。SNS(交流サイト)を活用した「ソーシャルリクルーティング」を手がけるアースメディア最高経営責任者(CEO)の松本淳氏に、どのように自己成長しながらキャリアアップを実現していけばいいかについて聞いた。

――著書「リクルートに会社を売った男が教える仕事で伸びる50のルール」を通して一番伝えたかったことは何ですか。

少しでも皆さんに、特に若い人に何か伝えられればと思い、日ごろから自分の経験をSNSなどで発信していますが、「発信すること」はとても意味のあることだと感じていました。SNSでの発信とは違う形で、失敗も含めた私の経験を伝えられる機会をいただけたので、これは頑張ろうと思って書きました。

この本では、「成長」にフォーカスしています。人間は成長をやめてはダメだと思います。その瞬間に、ずるくなったり、上から目線になったり、本人も自分も不幸になるような「誰も得をしないこと」を始めます。謙虚でフラットで、これからもまだまだ学びたいと考えている人が輝いていますよね。そういう人間にならなければいけないと、自分自身でも強く思っているので、それがこの本で一番伝えたかった部分です。

――本の中で「結局は基礎力が必要」と書かれていますが、この点について詳しく聞かせてください。

今の時代、何事も「早く、早く」と、スピードが大事だと言われて、インスタントなテクニック論がまん延している気がしています。確かに、部分的にはそれによって仕事が早くなるかもしれませんが、失うことも多いと思います。結局、テクニックではなく総合力が大事だと思っています。

――「努力するなら正しい努力をすることが大事」とも書かれていますが、これを実現するための方法を教えてもらえますか。

「とりあえずやったからいい」「量をやったからいい」ということではなく、しっかりと「正しい方向を向いているかどうか」を考えることです。量はもちろん大事なので、量をやることは前提です。しかし、量をこなすには非常に時間がかかるわけですから、その時間を正しく使いたいですよね。何も考えずに量をやるのは昭和的な発想。正しい方向を考えることを必ずセットにすることです。

特に、大きな組織にいると「キャリアは会社がつくってくれる」と思いがちですが、会社から与えられたミッションや努力の方向が正しいとは限りません。会社があなたのキャリアに責任をもってくれるわけでもありません。常に自分自身で「これは本当にこの通りにやるべきなのか」とよく考えるべきです。違う道もあるかもしれません。自分が後悔しない選択をすることが大切です。

そして、正しい努力も継続しなければ意味がありません。「やるぞ!」と意気込むだけでは続かないので、自分が続けられるような「仕組みづくり」をすることも大切です。「仕事を1つ片付けたらご褒美」でもいいですし、「日々のルーティンに強制的に組み込む」でもいいですし、何でもいいと思いますが、ポイントは自分なりの工夫をすることだと思います。本のおすすめのハウツーをまねするのではなく、主流なやり方ではなくても自分なりの独自のメソッドを見いだして納得してやることが大事だと思います。

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