記者会見では、サングラスにこのイカ襟シャツの胸元を全開にしてネックレスを見せて、深紅のチェックのスリーピーススーツの足元は、黒のスクエアトンガリトゥのブーツ。そしてニカッとほほ笑む口元から見える真っ白すぎる歯。記者から「きょうのファッションのポイントはどこですか?」と質問されて、「僕がもう、新庄剛志自身がファッションなんで。ファッションなんかあんまり考えてないですね」ときたもんだ。いやぁー、最&高! こんなカッコいいセリフ、新庄ビッグボスにしか言えません。大谷翔平には言えません。

「とびっきり派手」がサマになる

この新庄ビッグボスのファッションセンスにかみついたのが、辛口ファッション評論家で知られるデザイナーのドン小西氏である。

沖縄で行われていた秋季キャンプに訪れた時のスニーカーからジャージーまで全身真っ赤でそろえた格好を見て「ちょっと普通だよな」とコメント。記者会見で着ていた例のシャツについても「イカみたいな襟のシャツも作り悪いでしょ」と酷評。ジョニー・デップ風の全身黒ずくめのファッションも「失敗でしょ。何がカッコいいの? ウケを狙ったんだろうけど」とダメ出し。さらに新庄ビッグボスが昔は自分のブランドの顧客だったと明かして「彼はね、もともとセンスがいい人じゃないんだよね」と発言。

襟がイカなら、袖は……。監督就任会見でポーズをとる新庄剛志氏(2021年11月、札幌市)

ドン小西氏のこうした一連の発言を受けても、そこはさすがビッグボス新庄。ツイッターで「どん小西さんって誰だっけ???」と返したうえで、「俺ほら16年浦島太郎だったから。でも野球野球じゃなくて盛り上がる。こういうのって面白いじゃないですか」と軽くいなしたのであった。フォロワーからも「新庄さんのファッションにダメ出ししてるけど、ビッグボスのことをまったく理解していないようです」と軽く突き放されて、はい、ゲームセット。

そもそもドン小西こと小西良幸氏は、1980年代のDCブランドブームの頃には『フィッチェ・ウォーモ』などビートたけし氏が着ていたニットで知られるデザイナーであるが、今やご本人こそすっかりキャラで売っているファッションジャーナリストである。新庄ビッグボスからしたら「キャラなら全然負けてませーん」ですよね。

そうだなぁ、筆者なら、新庄ビッグボスにどんなファッションを着てもらいたいかなぁ。まず、ドン小西氏から酷評されたジャージースタイル。ちなみに真っ赤なジャージーは『SY32 by SWEET YEARS』というイタリアのカジュアルブランドである。いやいやジャージーなら、やっぱ新庄ビッグボスにはBTSも着ている『ニードルズ』の、とびっきり派手なパープルのトラッカーパンツとジャケットをセットアップでぜひ着てほしい。絶対に似合う。

新庄ビッグボスならば、パリコレで奇抜なファッションを発表するデザイナーのリアルクローズじゃない服でも全然着こなせる。むしろモデルでランウェイを歩いてもらいたい。

大リーグのニューヨーク・メッツと3年契約で合意し、記者会見をする新庄剛志氏(2000年12月)

筆者はそっち方面にはあまり詳しくないので、コロナ禍であっても果敢に単身パリコレ取材もいとわない本物のファッションジャーナリスト、ムッシュ海治郎こと増田海治郎氏に「新庄ビッグボスに似合うコレクションを発表しているデザイナーズブランドってありますか?」と聞いてみた。

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