農薬使わず排出ガス削減に貢献するタイプも

フランス自然派ワインの父と呼ばれた故マルセル・ラピエールの名前を冠した「ラピエール&シャヌデ」(ボトルは2020年産)

別の形で脱炭素に貢献しているボージョレ・ヌーボーもある。農薬も化学肥料も使わずに育てた有機ブドウからつくられるボージョレ・ヌーボーである。米カリフォルニアワイン協会が、カリフォルニア州のワイン生産に伴う温暖化ガス排出量の内訳を調べたところ、農薬・化学肥料を中心とする生産資材が全排出量の10%を占めた。農薬や化学肥料の多くは石油を原料としていること、大量の農薬・化学肥料をトラックなどで運ぶ際に二酸化炭素を排出する、といった事情などが要因だ。

有機ブドウを使ったボージョレ・ヌーボーの中でも、人気が高いのが、酸化防止剤の添加量をゼロかごく少量に抑えたいわゆるナチュラルワイン系のボージョレ・ヌーボー。例えば、ボージョレ出身で、フランス自然派ワインの父と呼ばれた故マルセル・ラピエールの名前を冠した「ラピエール&シャヌデ」(小売価格3000~4000円前後)は、ナチュラルワイン特有の体に染み入るようなジューシーな味わいが特徴だ。

ナチュラルワイン系のボージョレ・ヌーボーは生産量が少ないこともあり、スーパーなどで売られているボージョレ・ヌーボーに比べると値段も高めで、ワインショップやネットショップでないとなかなか手に入らない。だが、飲めば、ボージョレ・ヌーボーに対するイメージが大きく変わるかもしれない。

今年は、 “脱炭素ヌーヴォー”で環境問題を酒のさかなにしながら、新種の赤ワインをゆっくりと味わってみてはどうだろう。

(ライター 猪瀬聖)

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