エンタープライズ系には交渉力やコミュニケーション力が重要で、「大人の商談」が必要ですが、スタートアップ出身者は大人の商談とは異なるやり方をしてきた人が多いようです。顧客である大手企業の担当者と良好な関係を構築し、時間をかけてその会社に自社のサービスをじっくり浸透していける人材は、スタートアップ界隈(かいわい)にはあまりいないのです。

そこで、採用人気が高まるようになったのが大手企業出身者で、大人の商談ができる教育を受けてきた人です。それも金融機関へのセールスを行うために銀行出身者を採用するといった各業界での経験を評価する傾向が見られます。

見方を変えれば、ある業界の会社にセールスするため、実際にその業界で働いてビジネスの内容や業務プロセスを理解している人材を欲しがっていると言えます。もともとITスタートアップでは大手企業に営業ができるIT企業出身者を採用しようとしていましたが、人材が限られているので各社で取り合いになってしまい、採用は極めて困難でした。そこで徐々に採用対象を広げ、現在の状況に至っています。

IT以外からITへも転職の有効手段

このような採用の潮流を利用し、IT以外の大手企業からIT業界への転職を探るのは1つの有効な手段だと思います。ただし、エンタープライズセールスの人員が各社で充足するにつれて、このルートは難しくなっていくでしょう。

異業種からIT企業に転職するルートとしては社内でITに関する業務に携わり、経験を蓄積する方法もあります。デジタルトランスフォーメーション(DX)に代表されるITの活用は業種や規模を問わず、どんな企業でも課題になっています。この潮流が逆戻りすることはあり得ませんし、ITがさまざまな業界をのみ込んでいるといってもよいでしょう。

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