このスープに合わせるのは、店内の製麺室で打ち込む自家製麺。ラーメンづくりに携わる者が、製麺の知識を持たないのはおかしい。また、実際に麺を作らなければ、製麺技術も分からず、技術の向上も期待できない。そのような考えから、梶原店主は、「春よ恋」、「きたほなみ」など数種類の国産小麦をブレンドした麺を、製麺室で毎日打つ。

小麦由来の大地の息吹を凝縮させたモッチリとふくよかな自家製麺は、まさに「このスープにしてこの麺あり」。非の打ちどころのない完成度の高さを誇る。一見、朴訥(ぼくとつ)なように見えて、つぶさに吟味すれば、おのおののパーツが精緻を極めたものであることが分かる。最後までレンゲを持つ手が止まらない、まさに垂涎(すいぜん)の味わいだ。
★麺ふじさき(東京・亀戸)
~亀戸の地に超大型ルーキーが降臨!素材の魅力を丁寧に重ねた魅惑の優良杯~
次にご紹介するのは、同じく今年9月にJR総武線・東武亀戸線の亀戸駅から徒歩約10分の場所にオープンした『麺ふじさき』。店から3分も歩けば「亀戸天神社」という江東区内の蔵前橋通り沿いにある。参拝と合わせて立ち寄るのも、もってこいの立地だ。
同店の店主は、藤崎みづき氏。千葉県船橋市を中心に多店舗展開する『まるはグループ』、東海神のビッグネームである中華そば『とものもと』など、千葉のそうそうたる実力店で修業を重ねた腕利きラーメン職人である。

同店が提供するのは現在、「醤油らぁめん」と「チャーシュー醤油らぁめん」のみ。(「塩らぁめん」「つけめん」は、開発次第、追って提供予定という)
初訪問時は基本メニューである「醤油らぁめん」がおすすめ。寸分の無駄もない、芸術作品のように華麗で荘厳なビジュアルは、実食経験が豊富な人なら瞬時にたぐいまれなほど完成度が高いと確信できるほど。