「転職の1つ先」を見据えてキャリアを検討

さらに問題なのが中長期的なキャリアを考えると、その転職がプラスにならないケースがある点です。例えば、コンサルティングファームからスタートアップのカスタマーサクセス部門への転職を考えてみましょう。

一口にカスタマーサクセスといっても会社によって業務内容はいろいろで、なかには既存営業とそれほど変わらない場合があります。もちろん、カスタマーサクセス業務の意義はとても大きいのですが、コンサルティング業務と比較すると営業やルーティンの要素が強く、コンサルタント出身者のキャリア形成としてはクエスチョンマークが付きます。

こうした事例が生まれてくるのはコンサルティングからカスタマーサクセスへの転職がしやすいからです。つまり、同僚のキラキラ転職にあおられて、焦りや不安感だけで転職活動を始めると、単に「転職しやすいから」という理由で転職してしまう事態が起こり得るのです。非常に残念な話ですが本来、転職候補者のキャリアを考えて転職先の提案を行うべき人材紹介会社の中には、目先の売り上げを立てるためにこうした提案を行うところもあります。

このような事態を招かないためには、中長期的な視点からのキャリアパスの検討が大切です。提示されたスタートアップのポジションが面白そうで、給与も良かったとしても、そもそも何のためにそのポジションに転職するのか。その業務に習熟することで何ができるようになり、その次は何を目指すのか。要するに、転職のさらに1つ先を見据えて検討する必要があるということです。そうすれば「面白そうだし、条件も悪くないけれど、自分のキャリア形成にとっては遠回りになる」といった判断ができるでしょう。信頼のおける人材紹介会社のキャリアコンサルタントに相談し、アドバイスを受けるのも有益です。

丸山貴宏
クライス・アンド・カンパニー社長。リクルートで人事採用を7年担当した後、1993年に30~40代の経営幹部を中心にしたビジネスプロフェッショナルのための人材紹介会社、クライス・アンド・カンパニーを設立。著書に「自分に合った働き方を手に入れる!転職面接の話し方・伝え方」「そのひと言で面接官に嫌われます」ほか。

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