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写真はイメージ=PIXTA

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トップがきちんと把握しておくべきマネジメントの基本とは何か。目の前の問題解決で実績をあげ、社長に上り詰めたとき、ふと不安がよぎったり自信が持てなくなったりする瞬間が訪れるかもしれない。社長の悩みに寄り添ってきた気鋭のコンサルタントが意思決定のよりどころになる経営書を紹介する。

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「新社長になって、戦略は変わるのでしょうか? 今お話した、アカウントプランに従って来月10社に営業しようという計画は、前社長の頃から話してきたことです。結局、我々は何をすればいいのでしょうか?」

役員から似たようなことを言われ、返答に困った経験のある新任社長は多いのではないだろうか。大企業には多数の関連会社があり、世の中に"社長"はあふれるほどいる。ようやく自分がトップに就いたときに、社長が管轄する事業は必ずしも自分の思い入れがある事業だけではない。

何をしていいか分からず焦ってビジネス書を読んでみると、様々なフレームワークが並んでいて使い方を理解するまでに時間がかかる。就任してしばらくたっても目先の営業の議論しかできず、冒頭のような質問を受けて答えに困ってしまう。

あなたが社長を任せられるときが来た際に、そうはなりたくないであろう。この連載では、未来の社長のあなたが、お飾りにならないためにこっそり読むべき本をお伝えしていこうと思う。

社長の仕事は「会社の武器を見つけてあげること」

まず、社長になって大事なことは、「営業と戦略は違う」ということを理解することだ。ついつい冒頭のような営業重視の議論をしてしまう気持ちもよくわかる。いかんせん、売り上げがなくては何も始まらないから、とにかく数字が気になる。

そのため、戦略立案の役員合宿が売り上げ規模や受注見込みの議論に終始してしまうことも珍しくない。「大きい顧客はどれだ。その顧客に新しい商品は売れないのか?」といった議論が繰り返される。あなたも社長になったら、こんな会議を始めてしまうかもしれない。

だが重要なことは、顧客が自社を選ばざるを得ない武器を見つけることだ。武器があるのであれば、営業の話だけをしなくても売り上げはついてくるはずだ。役員の話を聞きながら、一歩引いた眼で、自社の武器を見つけてあげるのが社長としてのあなたの仕事だ。まずブルース・グリーンウォルド、ジャッド・カーン著『競争戦略の謎を解く(辻谷一美訳、ダイヤモンド社)を読んでみよう。複雑な戦略論の議論をシンプルにまとめてくれている。

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