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最近の傾向の1つが、残業時間数に対する不満が減っていることです。代わりに増えているのは?(写真はイメージ)=PIXTA

最近の傾向の1つが、残業時間数に対する不満が減っていることです。代わりに増えているのは?(写真はイメージ)=PIXTA

日経クロステック
キャリアアップや人間関係構築、給与などの待遇面、転職や起業――。技術者の多くは、自分の働き方について様々な悩みや不安を抱えています。人事コンサルタントとして様々な企業の職場活性化を支援する天笠淳さんが、こうした不安を解消し、働く楽しみを見いだすための具体的な方法を紹介します。

秋から冬の時期、筆者は企業の若手社員と話をする機会が増えます。10月から12月にかけて、入社3年目くらいまでの新人層のフォローアップ研修や個別面談をする企業が多いためです。

製造やITなど10社ほどの顧客企業から依頼を受けて、200人程度の受講者に対して研修を実施し、50人ほどの個別面談も担当しました。これらは組織開発のコンサルティングとセットになっていることが多く、最終的にはその組織の課題や解決策などの提言をまとめています。この活動を通じて、「今どきの新人が抱いている不満」が見えてきます。

最近の傾向の1つが、残業時間数に対する不満が減っていることです。人事制度や組合活動などがきちんとしている顧客企業が多いためかもしれませんが、勤務時間は守られています。残業が多いという不満があっても時間数は30時間程度で、以前と比べると明らかに減っています。その残業についても残業代はきちんと支払われていて、「サービス残業」という言葉も聞きません。

その一方で「残業が少ない分、給料が減る」という不満を耳にすることがあります。残業代が生活給として捉えられていることは、当人の理解や基本給の金額がまだまだ足りていない証拠だと感じつつ、「残業が少ないことが不満」というのはぜいたくな悩みだなというのも正直な気持ちです。

不満ではなく、「不安」を抱いている

職場の人間関係に不満はないのかと確認してみると、これも減っていると感じます。ある特定の人物や部署に対する愚痴は聞かれますが、全体的には減少傾向です。以前は「指導が厳しい」「暴言を浴びせられる」「プライベートに踏み込まれる」といった不満をよく耳にしました。しかし最近、職場でのこうした言動は減っているようです。読者の中には「いやいや、うちの会社はまだまだ改善されていない」と感じる方もいらっしゃると思いますが、筆者が見聞きする限りでは確かに減っています。

代わりに新人層が面談で口にするのは、自分の将来に対する不安です。「自分の生活は安定するのだろうか」「自分の目指す職種に将来性はあるのか」などの声が増えてきた印象があります。自分自身だけでなく「自社が将来生き残れるのか」「自社製品の売り上げは下がらないか」「海外の競合と戦っていけるのか」など、自社の将来に対する漠然とした不安も耳にします。

メディア等で、少子化の進展が経済に与える負の影響など、ネガティブなことが多く取り上げられることも影響しているのでしょう。普段どんなメディアから情報を得ているかでも気の持ちようはずいぶん変わるでしょうが、ふわっとして漠然とした将来への不安を抱える若手社会人が多くなってきたことは確かだと感じます。

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