日経Gooday

たまには飲み過ぎたり食べ過ぎてもOK

ここまで、ダイエットに向いた5つのつまみについて解説してもらった。気に入ったものはあっただろうか。

これらをうまく活用しつつ、酒飲みがダイエットを成功させるためのコツについて、さらに岸村さんに聞いてみた。

「どんな人でもそうですが、何かを我慢するようなダイエットは続かないですよね。お酒や食事を常に制限するよりも、たまには飲み過ぎたり食べ過ぎたりしてもいい、と考えるのはどうでしょう。毎日体重計に乗る習慣を身につければ、体重が増えてしまったときにすぐ気づきます。そうしたら、なるべく早く調整すればいいのです」(岸村さん)

たまに食べ過ぎたり飲み過ぎたりしても、後から調整すればいい、と思えば気が楽だし、続けられそうだ。酒と料理を楽しむ余裕も生まれる。

それでは、毎日体重計に乗って、体重が増えてしまったことに気づいたら、どう戻せばいいのだろうか。岸村さんによると、体重を戻すために取り組みたいのは、「野菜のシャワー」だという。

野菜のシャワーは、岸村さんお勧めのダイエット法で、1食当たり「両手のひら1杯分以上」の野菜をとることが基本。なるべくさまざまな野菜をとるのがお勧めだ。

「野菜は、食物繊維のほかにビタミンやミネラルも豊富です。排便をスムーズにし、代謝を助けてくれます。毎食、加熱した野菜料理を1皿、生野菜を1皿食べるなど、ルールを決めるのもいいでしょう。そして、ご飯の量はいつもの半分を心がけてください。特に夜の食事で頑張って取り組むと効果的です」(岸村さん)

実際、私も年末年始の暴飲暴食で2kgほど増えたときに、この野菜のシャワーを1週間ほど試したところ、ほぼ元の体重に戻った。

そして、毎日体重計に乗り、自分の体重を記録しておくことも、それだけで食べ過ぎ、飲み過ぎの抑止力になる。そのためには、スマートフォンのアプリを活用するといいそうだ。

「スマートフォンのダイエットアプリで自分が食べたり飲んだりしたものを記録していくと、効果が高まります。最近のアプリは優秀で、自分が食べたメニューや、飲んだお酒の種類と量を入力するだけで、摂取カロリーが計算されるものもあるので、ぜひ活用してください」(岸村さん)

野菜のシャワーとスマホアプリでの管理も活用して、ぜひダイエットを成功させてもらいたい。

名医が教える飲酒の科学

著者 : 葉石かおり
出版 : 日経BP
価格 : 1,650円(税込み)

葉石かおりさん
酒ジャーナリスト/エッセイスト。1966年東京都練馬区生まれ。日本大学文理学部独文学科卒業。ラジオリポーター、女性週刊誌の記者を経てエッセイスト・酒ジャーナリストに。「酒と健康」「酒と料理のペアリング」を核に執筆・講演活動を行う。2015年に一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーションを設立。国内外で日本酒の伝道師SAKE EXPERTを育成する。著書に『酒好き医師が教える最高の飲み方』『日本酒のおいしさのヒミツがよくわかる本』ほか多数。

「日経Gooday 30+」の記事一覧はこちら

医療・健康に関する確かな情報をお届けする有料会員制WEBマガジン!

『日経Gooday』(日本経済新聞社、日経BP社)は、医療・健康に関する確かな情報を「WEBマガジン」でお届けするほか、電話1本で体の不安にお答えする「電話相談24」や信頼できる名医・専門家をご紹介するサービス「ベストドクターズ(R)」も提供。無料でお読みいただける記事やコラムもたくさんご用意しております!ぜひ、お気軽にサイトにお越しください。