それでは、この5つがなぜダイエットに向いているのかについて、それぞれ解説してもらおう。
まずは、生キャベツから。

「生キャベツは、よくかむことによって満腹中枢が刺激されます。食後の血糖値の上昇を抑える働きもあり、かつ体脂肪の蓄積も防いでくれます。また食物繊維も豊富で、腸内環境の改善にも役立ちます。食事の前に食べておくと、食べ過ぎ防止にも一役買ってくれます」(岸村さん)
串揚げや焼き鳥のお店でよくお通しに出てくる生キャベツにそんな効果があったとは。よし、これからは宅飲みのときにも、生キャベツを酒の傍らに置くことにしよう。岸村さんによると、キャベツはダイエットだけではなく、ほかの意味でも酒好きにとって最高の相棒でもあるようだ。
「お酒を飲むと体の中で『炎症反応』が起こりやすくなります。二日酔いになると、頭や胃が痛くなりますが、それらも炎症反応が原因のひとつと考えられています。アルコールで引き起こされる炎症反応によって、腸内環境や免疫にもダメージが与えられてしまうことがあります。キャベツには、ビタミンCやイソチオシアネートといった、炎症を抑える抗酸化成分を多く含んでいます。また豊富なビタミンUが胃の粘膜を保護してくれる効果も期待できます。これらの成分は熱に弱いので、生で食べるか、加熱するにしても3分以下にしましょう」(岸村さん)

「お酢はダイエットにおいて積極的に使いたい調味料です。発酵食品でもあるお酢は、酢酸による脂質の燃焼促進をはじめ、血圧、血糖値、コレステロールの値を下げる効果が期待できます。おつまみであれば、わかめときゅうりなどの酢の物はいかがでしょう? わかめに多く含まれる水溶性食物繊維と酢の相乗効果で糖質の吸収が緩やかになります。手軽なメカブ酢もお勧めです」(岸村さん)
調味料にお酢を使えば、減塩にも役立つという。さらに、煮込み料理に使えば、うまみやコクが出るので、調味料としても優秀だ。
発酵食品といえば、「味噌や酒粕などもいい」と岸村さん。「発酵食品と食物繊維は腸内環境を整え、排泄をスムーズにする。食物繊維から腸内で作られる短鎖脂肪酸によって代謝機能もアップしたりする」という。

「きのこ類は食物繊維がとても豊富です。食物繊維を多くとると、胃や腸に長くとどまることもあり、満足感が長く続きます。きのこ類は、アルコールや脂質の代謝に必要なビタミンB群も豊富なのでお勧めです」(岸村さん)
好きなきのこをツナと一緒にサッと炒めるだけで、簡単におつまみが作れる。アレンジしやすいのもきのこの魅力だ。

「枝豆は、糖質をエネルギーに変えてくれるビタミンB1、食物繊維、たんぱく質もたっぷりで、ダイエットの強い味方です。お酒を飲まない日でも、湯がいて食卓に並べるのもいいでしょう」(岸村さん)
飲み屋での定番のつまみである枝豆にそのような効果があったとは。これからは、飲まない日でも夕食の常備菜にしたいものだ。

軽めのつまみとして定番の「乾きもの」といえばナッツだが、岸村さんによると「ダイエットを考えるなら、つまみはナッツより甘栗がお勧め」とのこと。
ナッツは、ビタミンやミネラルが豊富で健康効果もあると思っていたが、どうなのだろう。
「間食のとき、ケーキの代わりに適量のナッツを食べるなら、肥満予防になると思います。ただ、お酒のつまみとしては意外とカロリーが高くて、つい食べ過ぎてしまう人は要注意です。コンビニで売られているミックスナッツは100gで600kcal 以上もあり、一般的な焼き魚定食とそう変わりません。その点、甘栗は脂質が少なめで、糖質を燃やすために必要となるビタミンB群、食物繊維も豊富。コンビニで売られている甘栗は、35g入りの1袋で65kcal 程度と低カロリーなので、ダイエット中でも安心です」(岸村さん)
「お酒に甘栗?」と思ったが、試してみると、これがまた意外とよく合う。塩分も含まれていないので、むくみも心配ないし、一石二鳥である。