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ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している紀伊国屋書店大手町ビル店だ。新型コロナウイルス禍で減っていた来店客だが、ゴールデンウイークの期間中に店を開けた平日2日は、コロナ禍以前のような人出であふれたという。ビジネス書の売り上げも当然ながら緊急事態宣言中だった2021年を上回り、回復への期待が高まる。そんな中、書店員が注目するのは、歴史を面白く学ぶ音声番組を配信している起業家が、歴史を知って悩みを吹き飛ばす思考法を説いた本だった。

歴史で学べるさまざまな常識と価値観

その本は深井龍之介『歴史思考』(ダイヤモンド社)。漢字4文字のタイトルだけ見るとカタい歴史哲学の本のように思えるが、実際手に取ると200ページ強と薄めで、軽く読みやすい体裁になっている。副題に「世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する」とある通り、歴史を知ることで相対的な視点を身に付け、さまざまな悩みから自分を解放しようという意図で書かれた本だ。

著者の深井氏は「歴史を面白く学ぶコテンラジオ(COTEN RADIO)」というポッドキャスト番組を配信している起業家。いくつかのベンチャー企業の取締役を務めた後、16年にCOTEN(福岡市)を設立、コテンラジオの運営や歴史データベース「coten」の研究開発を手がける。コテンラジオは人気番組となり、19年に第1回の「JAPAN PODCAST AWARDS(ジャパン・ポッドキャスト・アワード)」を受賞している。

「悩みから解放された」「気持ちが楽になった」――著者が運営するコテンラジオにはこんな感想がよく送られてくると言う。歴史と悩み。一見関係のなさそうな両者だが、つながる部分があると著者は言う。さまざまな歴史を知ると、いろいろな価値観を知ることになる。「悩みの原因は僕たちの社会にある常識や価値観」で、歴史を学ぶことで〈僕らの「当たり前」が当たり前でないと分かると、みなさんを苦しめる悩みの前提が崩れます〉とプロローグで書く。これが著者の言う「歴史思考」だ。

レジ脇の通路中央の平台に2列並べて積み上げる(紀伊国屋書店大手町ビル店)

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