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企業における働きがいについての調査・分析・支援を行い、その結果を「働きがいのある会社ランキング ベスト100」や「働きがいのある会社女性ランキング」などとしても発表しているGreat Place to Work Institute. Japan (GPTWジャパン=登記社名は働きがいのある会社研究所、東京・品川)。2020年、39歳で同社の代表に就任した荒川陽子氏(41)は、子育てと社長業の両立に奮闘しているワーキングマザーだ。育休中に「経営に直接携わりたい」との思いを強め、自ら社長に立候補したという。何がその背中を押したのか。

自分は何にワクワクしたか

荒川氏が長男を出産したのは17年。産休・育休に入る前はGPTWジャパンの親会社であるリクルートマネジメントソリューションズ(リクルートMS、東京・品川)で営業チームのマネジメントをしていた。企業の人材育成や組織開発に関わる同社の仕事に大きなやりがいを感じ、「労働時間の上限いっぱいまでガリガリ働いていた」と振り返る。入社以来ノンストップで走り続けてきた同氏にとって、産休・育休は、これからの働き方をじっくり考える初めての機会となった。

「父と小さなイタリアンレストランを開いて、忙しく立ち働く母の姿を見て育ったので、子どもができても働き続けるのは当然と思っていましたが、私は単に続けるだけではなく、職責もそのままでアグレッシブに働き続けることを望んでいるのだと再認識しました。でも子どもがいれば、時間に関してはどうしても制約が出てきます。"九時五時"という時間内に最大限の成果を出し、アグレッシブに働き続けるという自分の望みをかなえるには、自分が得意なこと、強みにフォーカスするしかないと気づきました」

自分の強みとは何なのか。それを知るために、産休・育休中に徹底してキャリアの棚卸しを行った。営業の最前線で10年、管理職として6年働いてきた中で、自分は何にワクワクしたのか、どんなことにこだわってきたのか、結果を出せたのはどんな時で、何が功を奏したのかを振り返り、分析した。

その結果、浮かび上がってきた強みは3つ。「段取り力」「決める力」「イヤなことを引きずらない切り替えの早さ」だったという。

「結果が出せたケースでは大抵、段取り良くスピーディーに顧客との信頼関係が築けていました。それと物事を決めて前に進める推進力も他の人よりありそうだなと。マネジャーになった当初は私もヘッポコでしたが、6年間の後半ではこの3つの力を生かし、手応えを感じられるようになっていました。マネジャーとして特にこだわってきたのは、『最後は私が責任を取る』と言い切って、裁量と権限をメンバーに渡すこと。そして一人ひとりに期待をかけること。その結果としてメンバーが成長できたときに、私自身も大きな喜びを感じていました。そういう私の強み、こだわりを生かせる仕事って何だろうと考えたときに、これまでと同じ営業というフィールドで上のポジションを目指す以外に、事業全体を見る、つまり経営という道もあるんじゃないかと思えてきたのです」

GPTWジャパン代表 荒川陽子氏

GPTWジャパン代表 荒川陽子氏

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