灘高など中高一貫の私立校が日比谷に代わって進学校として台頭したのは1960年代後半から。東京では「男子御三家」と呼ばれた開成、麻布、武蔵の私立勢に加え、筑波大学付属駒場高など国立の中高一貫校が東大合格者の上位を占めた。大半の中高一貫校は5年間で6年分の授業内容を終え、最後の1年を大学受験に専念するシステムを採用するため、受験には圧倒的に有利だ。

最近5年間の東大合格者上位30校 受賞者は灘高、日比谷高だけ

東大と京大の高校別合格者数ランキングとノーベル賞受賞者の関係を探ってみよう。最近5年間の東大の平均合格者でみると、上位30校のうちノーベル賞受賞者の出身校は3位の灘高、11位の日比谷高の2校だけ。40年連続で東大合格者数トップを走る開成、東大合格者率が6割を超す筑駒からは受賞者が出ていない。

大学通信調べ。※印は国立、◎印は私立、無印は公立を示す。合格者数は各高校への調査などから集計した。校名は現在の名称

京大合格者の場合は上位30校のうち、1位の大阪府立北野高校、10位の灘高、25位の愛知県立明和高校、29位の大阪府立茨木高校の4校からノーベル賞受賞者が出ている。東大よりも京大志望の多い西日本の進学校の方がノーベル賞には強いと言えるかもしれない。

大学通信調べ。◎印は私立、無印は公立を示す。合格者数は各高校への調査などから集計した。校名は現在の名称

灘高の和田孫博校長は「東京などの大都会の進学校では、短期的な成果を求められがちなのでは。ノーベル賞クラスの研究を続けるには『GRIT(グリット)』という粘り強くやり抜く力が必要とされる」と語る。灘高出身のノーベル賞受賞者は化学賞の野依良治氏。出身大学は京大だ。「実は野依さんが在籍した頃の灘は東大合格トップクラスの進学校になる10年ほど前だった。とにかく京大で何度も何度も実験に失敗しながら、めげずに研究をやっていたそうです。ノーベル賞受賞者に関西の進学校が多いのは京大効果もあるでしょう」と話す。

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独自研究を貫く京大の存在大きく