リファレンスチェックの重要性

――管理職の経験がないので、選考が通りづらいのではないかと心配です。(40代、女性)

日経HRのコンサルタント・中島秀雄さん

「応募する役職によります。管理職として募集されている職に応募するのは厳しいですが、専門職や一般職として働きたいのであれば大丈夫です」

――これまで何度か始末書を書いるのですが、報告したほうがいいでしょうか。もしくは調べられることはあるのでしょうか。(40代、男性)

「個人情報なので報告する必要はないです。ただ、転職希望者の出身企業の同僚評価を参照するリファレンスチェックを実施する企業であれば、調べられてしまいます」

――現在の職場では親しくしている同僚がおらず、上司からも評価されているとは言えません。リファレンスチェックがあったら不利になりますか。(30代、女性)

「リファレンスチェックは、IT(情報技術)やWebサービスの企業で導入が増えています。その業界を検討しているのであれば、まず現職で同僚や上司との関係を改善してから、自信をもって転職活動をしてほしいです」

「リファレンスチェックは外資系企業で在職を確認するものから始まったと言われていますが、日本の中途採用でその活用方法が進化しました。営業職の場合は、上司と同僚だけではなくクライアントに評価してもらうケースまであります。選考結果にも影響し、リファレンスチェックと面接の評価が高ければ、年収や役職がよくなる可能性もあります」

――在職中から転職活動を始め、既に離職して2カ月たちました。1社から内定を得たものの辞退し、より自分に合った企業との出合いを信じて活動を続けていますが、この状態が長期化してしまう不安を感じています。(50代、男性)

「いつ転職活動を終えるのかの判断は難しいですが、離職が長くなるのは好ましくありません。実務から離れている時間が長いと、『入社後すぐに活躍してもらえないのでは』と考える企業もあります。満点の企業と出合うのは難しいので、希望条件の優先順位をつけて何が実現すれば納得して入社できるのかを整理し、早めに転職先を決断してください」 

平日に転職活動をこなすコツ

――平日に転職活動の時間を確保するのが難しいです。働きながらの転職活動をうまくこなすコツはありますか。(多数)

「土休日に面接をする企業は少ないので、昼休みや終業後の時間をうまく調整してください。オンライン面接も増えており、夜は19時開始まで対応してもらえることが多いです」

「ポイントは応募数を2、3社にしぼること。“持ち駒”が多すぎると、日程調整が難しいです。2、3社であれば週のうちに2日ほど、早めに終業する日を作れば乗りきれるでしょう」

「1度に10社へ応募する人もいますが、優先順位を整理できていないことの裏返しともいえ、あまりうまくいきません。まずは2、3社に応募し、うまくいかなかったら別の企業を検討するのがいいと思います」

――半年以内に転職したいです。(50代、男性)

「転職活動は一般的に3~4カ月と言われているので、半年あれば十分。選考はおおよそ『書類応募→面接2回→内定条件面談』というステップで進み、スムーズであれば1カ月で決まる人もいます。書類選考で落ちてしまったり、面接に進んだものの忙しくて日程調整に難航したりすると、3カ月前後かかります」

――内定を得られたとして、どれくらいの時間で現職の引き継ぎを終え入社できるでしょうか。(40代、男性)

「社内規定はあるでしょうが、民法上は2週間で退職できます。実際には退職を伝えた後、業務の引き継ぎと有休消化を経て1カ月半~2カ月ほどで入社する人が多いです。海外在住であれば話は別ですが、企業も早く入社してほしいと考えているので、待ってもらえるのは2~3カ月程度でしょう」

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