素材の多様性にも注力
――今後、ブルガリは時計の分野でどのような挑戦を続けますか。
「オクトやセルペンティのような核となるコレクションポートフォリオがそろっているので、新しいコレクションを創造するのではなく、既存のコレクションを大事にしていきます。オクトは素材の多様化にも取り組んでいます。最初はチタン、その後はゴールドやステンレススチールへと広がり、支持層が増えました。一方、今回もオートオルロジュリーの新作としてミニッツリピーター(鐘の音色によっても時分を知らせるしかけ)、トゥールビヨンがのったスケルトンモデル、クロノグラフGMTといった希少モデルも随時発表しています。オクトのラインアップも増えたことで、シェアがさらに拡大すると期待しています」



――時計業界では複雑機構という職人技だけでなく、デジタル技術もどんどん活用されています。時計の概念が変わっていきそうです。
「ブルガリの時計は愛好家がウオッチワインダー(自動巻き時計の巻き上げ機)に何個もセッティングして、特別な時だけに取り出すようなものではありません。毎日使ってもらえるものだと信じています。モダンでコンテンポラリーでありながら、構造やアコースティックな雰囲気が伝わる時計であることを大事にしています。クラフツマンシップも、デザインも、機構も優れているのが当たり前。でも時計にはやっぱり、エモーショナルなものがなければいけないのではないかと思っています」
(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)
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