やりたいことがない学生へサイバーが推すキャリアの本

サイバーエージェントで新卒採用を担当する寺脇英雄さん
人気企業・注目企業が新人教育で使ったり、新入社員に推薦したりしている書籍と、各社の人材育成戦略を取り上げるシリーズ「社会人1年目の課題図書」。第12回はサイバーエージェントです。

インターネット広告の国内最大手で、インターネットテレビのABEMA(アベマ)などのメディア事業、ゲーム事業まで手がけるサイバーエージェントは、デジタルネーティブ世代に身近な会社だ。就活生の就職人気ランキングでも近年、躍進している。

同社の採用戦略本部で新卒採用を担当する寺脇英雄さんのお薦めは『苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」』(ダイヤモンド社)『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(大和書房)の2冊だ。「会社としての推薦図書リストはないのですが、就活生や内定者、新入社員など若手から個人的に尋ねられた時によく薦めています」(寺脇さん)

『苦しかったときの話をしようか』はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)復活の立役者として知られる森岡毅氏の著書。4人の子どもの父でもある同氏が、就活や仕事で我が子が悩んだ時に役立つようにと書きためてきたキャリア論の「虎の巻」だ。前半では「やりたいことがわからない」と悩む子どもに向けて、同氏の専門であるマーケティングの考え方を使って「自分をマーケティングする手法」を伝授。後半では、理想的なキャリアを歩んできたように見える著者にも「情けないことや惨めなことはたくさんあった」として自身の壮絶な「黒歴史」を明かし、悩んだ分だけ高く飛べると激励する。寺脇さんにとっては「読む度に気合が入る本」なのだという。

『苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」』
著:森岡毅
出版:ダイヤモンド社
著者の森岡氏は1972年生まれ。P&Gで北米パンテーンのブランドマネジャーやウエラジャパン副代表などを務め、2010年USJに入社。革新的なアイデアを次々投入し、窮地にあった同社をV字回復させた。17年に同社を退社後、マーケティング精鋭集団「刀」を設立し、数々のプロジェクトを推進している。数学を使った独自の戦略理論やマーケティングノウハウについての著書も多い。

「君の強みは必ず好きなことの中にある」

寺脇さんがこの本を薦める最大の理由は「強み」にフォーカスするアプローチが、サイバーエージェントの人材に対する考え方や経営スタイルと合致するからだ。

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