ミニストップ:シンプル弁当&駅弁シリーズ

超シンプルな弁当はミニストップにもある。おかずがチャーシューだけの「チャーシュー弁当」を21年3月から販売。チャーシューとご飯のみのこの商品は「潔くていい」と評判だという。
ミニストップでは「食のディスティネーションストア化」(目的買いをする店になること)を目指しており、弁当類を強化している。副菜がたくさん盛り込まれた複合的な魅力の弁当のほかに、商品内容とコンセプトをシンプルに伝えられる商品も検討する中で「チャーシュー弁当」に辿りついたという。
シンプルだから魅力半減とならないように、むしろ599円のお値打ち感が出るようにチャーシューの味のクオリティーにはかなりこだわったという。味噌やしょうゆなどで下味をつけた後、2時間半もじっくりとあぶったチャーシューは、口どけがよく、甘じょっぱい味が後を引く。22年1月11日にはタレを改良したリニューアル版を発売。一般的にコンビニ弁当のタレは見た目をよくするために粘度が強めだが、極力粘度を落とすことで、ご飯に染みてもおいしいたれを目指したそうだ。
「コロナ下でテークアウトの機会が増える中、 “コンビニ弁当”という枠ではなく、外食店に味や内容で引けを取らないテークアウトの選択肢の1つとなるように、おいしさ・話題性・見た目のインパクトなどにこだわりました」とミニストップ商品本部デリカテッセン商品部の松本健さん。本商品に併せて、ドリンクやサラダ、おにぎり、総菜、弁当を購入する人も多いそうだ。
ほかにもミニストップでは、コロナ下では旅行や出張が減少し、非日常を体験するニーズがあると考えて「駅弁風弁当」を開発。21年1月から毎月1~2品を発売。駅弁同様、温めなくてもおいしく食べられるように具材にもこだわった。累計販売数は100万食を突破している。22年1月25日からは駅弁風弁当1周年を記念し、「駅弁風 鮭はらこ飯」が復活。これは21年1月に発売してわずか12日間で予定数量を完売したもので、その後7月からの約2カ月間、再発売された人気商品だ。

脂ののった鮭ハラス、鮭フレーク、うま味のつまったイクラなどの具材がのっており、見た目も華やか。今回の復活リニューアルでは、鮭フレーク・イクラ・ご飯を増量。容器と掛け紙も一新している。
「チャーシュー弁当」も「駅弁風弁当」もミニストップの弁当の中では高価格帯だが、売れ行きは好調で、これまで弁当を買わなかった層による購入も目立っているという。