エンターテインメントなジンギスカン

ジンギスカンと言えば、タレに漬け込んだ薄めのスライス肉を昔食べたことがあるが、運ばれてきた肉は厚さ1.5センチとかなりぶ厚い。スタッフさんがこう説明してくれた。「一度も冷凍していないオーストラリア産の生ラムです。鮮度には自信があります」

厚切り生ラムにクミン塩とパクチーを添えて。止まらないおいしさ

生ラムの焼き肉といった感じで、厚切り肉なのにふんわりと軟らかい。ラム肉特有の臭みがほとんど感じられないので、一口目からかなり驚いた。昔食べたジンギスカンとは一線を画す感動的なおいしさだ。追加薬味にクミン塩とパクチーを注文して一緒に味わったら、これまたクセになる味わい。ほかに花椒(ホアジャオ)、ハーブ塩など5種の薬味で味変しながら楽しめる。

卓上サーバーから自分で注ぐレモンサワーは、その名もドラマの曲にちなんだ「レモンサワーは突然に」。客の8割がオーダーするという飲み放題は、60分で550円(延長30分330円、最大120分)。酸味や甘味など味のバランスの異なる10種のレモンシロップから好みの2種を選んで、好みの分量を注ぎ入れて自分のペースで好きなだけ作る。ジンギスカンもレモンサワーも自分で焼いて自分で作る非接触スタイルだ。

自由に注げる卓上レモンサワー。注文する手間が省けるのもいい

特筆すべきはタン、レバー、ハツなど、ラムの内臓肉まで堪能できる点。生まれて初めてラムのタンを注文すると、厚さ約5ミリと意外に厚い。焼くとハツや砂肝のようなクセになる食感で、だが軟らかくて食べやすく、こちらもラム臭さは感じられなく美味だった。ニュージーランド産の月齢4~7カ月の子羊の舌を厳選使用しているから軟らかいのだという。

ほかにアスパラガス、エリンギなどの追加野菜は10種(198円~)、おつまみの一品料理も充実している。「18禁」の旗が立つ「大人のミニラムバーガー」という気になるシメの一品もあったが、今回は満腹すぎてたどり着けなかった。また来ることにしよう。

ラムの内臓肉、タンは歯ごたえが絶妙でクセになる

運営企業であるS.H.N(東京・渋谷)営業本部長の橋本慎吾氏は、「コロナ禍でも好調な業態と言えば焼き肉業態です。喚起がよいということがあります。一方、悪玉コレステロールを減らすなどヘルシー肉として近年人気なのがラム肉です。そこで、ラム肉の中でも一度も冷凍していない鮮度抜群なラム、私どもが生ラムと呼んでいるものですが、それを焼き肉にした業態を考案しました。ラム肉市場は今後もマーケットが拡大していくと思います」と期待を寄せる。以前より肉の保存法やチルド輸送の技術が向上してきたので、味の良いラムをこの価格で提供できるようになったのだと説明する。

店内の随所にドラマを彷彿させるユニークな仕掛けも施されており、中高年グループで行ったら懐かしいドラマ話で盛り上がること間違いなし。家族や親しい仲間たちと、気兼ねなくワイワイ楽しむのに特におすすめだ。平均的な予算は1人3200円ほど。横浜の関内店では店長がマジックを見せてくれる日もあるとのこと。最初から最後まで飽きさせない話題の大衆ジンギスカン、美味肉食を楽しみながらパワフルに過ごそう。

(フードライター 古滝直実)

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