ボリューム満点でコスパ最高のビストロ料理も

「大衆ビストロハルタ」でタルトフランベ(フランス版薄焼きピザ)をつまみに飲む

2店目はその向かい側にある「大衆ビストロハルタ」だ。東京・練馬で人気の洋風居酒屋で、コンセプトは「気軽に日常使いができるフレンチ版大衆酒場」。「ボリューム満点でコスパ最高のビストロ料理」が自慢とのこと。

これだけ聞くとちょっとイメージしづらいかもしれないが、シンプルな店構えにグラス1杯500円前後のハイボールやカクテルにワイン、「牛スジのふわふわオムレツ」「ぼんじりポテト バター醤油(しょうゆ)」「熟成生ハムのてんこ盛り」といったフレンチの要素を入れた気軽な肉系つまみが並ぶ。全面ガラス張りで通路からはにぎやかな店内がよく見え、楽しそうだ。ミカン下北全体の雰囲気にこれ以上ぴったりの店はないだろう、という印象さえ受けた。

イチ推しメニューのベーコンとタマネギ、たっぷりのチーズが乗ったタルトフランベ(フランス版の薄焼きピザ)はカリカリの生地が非常に美味。ワインが進みそうだ。

昼は肉のメインにスープやマリネ、サラダなど山盛りの日替わりのプレートランチ(990円)を提供。1日30食限定であっという間に売り切れる。夜も大人気で予約は不可。ただし回転は早いそうなので少し待っても価値はある。

高架下外の通路が開放感を演出している

どんどん進もう。今まで通ったのは井の頭線の真下のA地区。次は高架下の横の広い空間のD地区へ。すぐ目に入ってくるのが、「SHIMOKITA MEAT SPOT」だ。立ち飲みのバー(KUON)、テークアウトのホットドッグ専門店(FUJI DOG)、そしてコース料理が楽しめる落ち着いたダイニング(Esszimmer/エッシマー)の3業態が1カ所に集まっている。

ワインが好きで海外でのグルメ体験も豊富な代表の山本龍太郎さんが、「ヨーロッパのシャルキュトリ(手作りハムやソーセージの専門店)を軸に、各国のビールやワインを楽しめる店」としてオープンした。

店の前には施設内の歩道が広がり、開放感を演出している。当初の狙いは「下北沢に遊びに来る若い世代が、自分の恋人や両親をもてなす場所」だったそうだが、グルメ慣れした大人世代に支持され、近隣のマダム層や熟年カップルの来店も多いそうだ。

「SHIMOKITA MEAT SPOT」の名物「クオンカレー」は秘伝の味

すてきな空間で味わう肉料理&ワインにもひかれるが、看板メニューは「クオンカレー」だ。山本さんが「30年前にインドで衝撃を受けてレシピを持ち帰った秘伝のカレー」で、数種類のマサラ(インドのスパイス)と完熟トマト、ショウガで煮込んだ味は辛くてほんのり甘く、スプーンが止まらない。食べるうちに体もポカポカしてくる。昼夜共に注文可能だ。

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